寒い朝の新習慣。南部鉄器で白湯を飲む。-私のマインドフルネス的 美容・健康vol.2-

この連載は筆者が “今ここ” の自分を、それぞれの方法で慈しみながら美容・健康を楽しむ時間を綴ります。

こんにちは、Mindful.jp編集部 ナミです。

みなさんは朝のルーティーンはありますか?
私は寒くなってきたこともあり、朝、白湯を飲むことが習慣になりました。

白湯は、一度沸騰させたお湯を人肌程度に冷ましたお湯のことです。
胃腸を温めることで、デトックスや体温を上げ免疫力を上げたり、脂肪が燃えやすくしたりすることが期待できます。

特に、朝にあったかいものを飲むと、その日一日がすっとスムーズに始まる気がします。

最初は、電気ケトルを使ってお湯を沸かしていたのですが、「どうやら南部鉄器の鉄瓶で飲む白湯がおいしいらしい」と聞き、試してみることにしました。

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愛用の電気ケトル。
もくじ

南部鉄器の鉄瓶を買う

南部鉄器は初めての購入です。そもそも、南部鉄器とはなんなのか、調べるところから始めました。

南部鉄器は岩手県の盛岡市や奥州市で作られています。鉄瓶やフライパンが有名で、約380年の歴史があるものだそうです。

盛岡の南部鉄器は、江戸時代中期(約380年前)に南部藩主が京都から釜師や鋳物師を招き、茶の湯釜を造らせたのが始まりで、江戸時代に南部藩の保護を受けて、甲州(山梨県)からも鋳物師を招き、茶の湯釜、仏具、鉄瓶の産地となった。

引用:いわての文化大辞典 南部鉄器

でも、一体どこで買ったら良いの・・・?

年末でゴロゴロしたくて、買い物に行く気分にもなれず、まずは出不精の味方、Amazonで検索。
本物かどうか不安もあったので、鋳物や鉄瓶についての説明をメーカーのホームページで確認し、最終的にAmazonで購入しました。

私が購入したのは、岩鋳(iwachu)の0.65Lのタイプの鉄瓶です。容量的にはカップ2~3杯分の使用しやすいサイズ感です。

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岩鋳の商品だと同じぐらいの容量で、鉄瓶と急須がありますが使用方法がまったく違います。
急須の場合、内部がホーロー加工されているものもあり、直火の使用ができません。購入前に確認が必要です。
私は鉄器の良さを堪能したいので直火可能の鉄瓶にしました。

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丸くて可愛いフォルム。

鉄だから1.4kgとずっしり重いですが、その重さもなんだか愛おしい感じがします。

鉄瓶には必須。「ならし作業」をする

鉄瓶は購入してもすぐに使用できません。

購入したら、まずやらねばないことがあります。
それは、「ならし作業」です。

岩鋳のホームページで、ならし作業の方法を確認しました。

本体を軽くすすいだ後水を8分目まで入れ中火で沸騰させてください。
その後お湯を捨てます。これを2〜3回繰り返します。 ※空焚きに注意してください。
初めは、金気で湯が濁りますので2〜3回繰り返し、沸かしたお湯が無色になってからご使用ください。
※火力が弱い状態で沸かしますとお湯が濁る原因となります。
 中火程度で沸かし、ならしの作業を行なってください。

引用:岩鋳ホームページ

そもそも、「ならし作業」はなぜ必要なの・・・?

疑問に思って問合せてみました。すると「初回に鉄瓶を沸かしたお湯に『金気』が出る場合があるから」と回答いただきました。

「金気(かなけ)」とは

 水中に溶けて含まれている鉄分。また、そのにおいや味。
 新しい鉄製の鍋・釜・鉄瓶などで湯を沸かすときに染み出る赤黒い渋。

出展:goo国語辞書

鉄瓶で白湯を飲むだけで、知らないことが沢山出てきます。なかなか奥が深いです。

お湯を沸かしてみる

ならし作業が終わったので、いよいよお湯を沸かしてみます。

そうすると、
ぶくぶく
ぶくぶく、ぶくぶくぶく・・・
と沸騰してきました!

お湯が沸くのを観察するのも、なんともマインドフルネスな時間で楽しいです。

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電気ケトルでは味わえない光景です

沸騰したら、火から下ろします。

持ち手も鉄製のため、とても熱くなります。必ず布巾を何重にも折ったもので持ち、カップに注ぎます。
この時、中身が空になるまで注ぎきることが大切です。
そのままで置いておくと、内部が錆びてくるそうで、使用したらしっかり乾燥させます。

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二重構造で、保温・保冷効果があり、白湯を入れても熱くなりにくいbodumのグラスを愛用しています。

いよいよ、白湯を飲む・・・!

人肌に冷ますため、10分ほど置いてから、いよいよ白湯を飲んでみました。

・・・!!!

今まで、電子ケトルで入れていた白湯と比べて、なんだかまろやかなお味。喉を通る感覚も、心なしか柔らかい感じがします。

実は、電気ケトルは今も使用しています。お湯を沸かすには、電気ケトルの方が圧倒的に早いからです。
しかし、鉄瓶で沸かしたお湯の味には敵いません。白湯だけでなく、コーヒーやお茶もまろやかになり一ランク上の味になります。
なので、用途によって使い分けるようにしています。

南部鉄器を「育てる」

南部鉄器の鉄瓶は、使い続けることが大切です。

使用すればするほど内部に皮膜がはり、錆びにくくなるそうです。鉄は濡れたままにしておくと錆の原因にもなりますが、長時間使用しないでいると酸化し、錆の原因になってしまいます。

鉄瓶を育てる上での注意事項

・強火にかけない
・お湯は沸かしたら注ぎきる
 そして、しっかり乾燥
・毎日使用してお湯に慣れされる
・錆びが出てきても慌てない
・もし、錆びたら緑茶を煮出すと錆止めになる

参考:火鉢の道具店

しっかり丁寧に使用すれば、鉄瓶はかなり長期間使えるものです。

正直、鉄瓶を使うまで、「道具を育てる」ということが、ここまでワクワクするものだとは思ってもみませんでした。
そしてその過程で、「モノは消費するもの」という意識が私にあったのでは、と気づきました。

ここ数年で、「サステナビリティ」という言葉をよく聞くようになりましたが、実は少しモヤモヤしていました。そのモヤモヤがなんなのか、自分の中でやっと腑に落ちた気がします。

「地球環境にやさしい」はもちろん大切です。ただ、その前提として「自分の生活においてサステナブル(持続可能)かどうか」もとても重要、ということです。

例えば、鉄瓶の場合は、ならし作業を経て定期的に使い続けることで、サステイナブルな道具になります。
「鉄瓶は長く使える」という情報だけに飛びついて安易に購入して、イベント的にたまに使おうとしたらば、酸化し、錆びて、最悪はゴミになり、ただ消費しただけになってしまいかねません。
事前に商品について調べ、自分の生活にフィットするのか、考えをめぐらせてから購入する。実際に使い続ける。
それが、真の「サステナビリティ」に繋がるのでは、と思います。
私もこの鉄瓶を育てて、末永く使っていきたいものです。

さて、話はそれましたが、私の「鉄瓶で沸かす白湯」のモーニングルーティンは始まったばかり。
「白湯を味わう」という”今ここ”を楽しみつつ、鉄瓶の歴史に思いを馳せたり、鉄瓶と歩んだ先の未来を想像したり・・・。
マインドフルネスな時間を積み重ねていきたいです。

(文・Mindful.jp編集部 ナミ)

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