プラスサイズモデル はまゆっこ-ありのままの自分を好きになるまで-vol.2

160cm 68Kg女性、職業モデル。高校生の時に精神疾患で入院。悶々と20代を送っていたある日、思い立って4万円を握りしめ上京。その後どうやって、コンプレックスを受け入れながら、ありのままの自分を好きになり、現在のモデルという職業にたどり着いたのでしょうか——。
この連載は、プラスサイズモデルはまゆっこさんによる3回完結エッセイです。
vol.1はこちら》

もくじ

見た目改革。努力を始めた日々。

遅れて参加した飲み会。
私が会場に入った途端、なぜか話題がダイエットの話になりました。
なんとなく私の体型の話になり、その場にいたみんなに悪気はなかったかもしれませんが、私はひどく落ち込み、帰ってから号泣しました。

次の日、私は見た目を改革することを決意します。
ダイエットの様子をFacebookに載せることにしました。
週1回、水着で自分の姿をUPしたのです。
それはとても勇気のいることでした。

「そんな姿みっともないから載せない方が良いよ」と仲が良かった人から連絡がきました。
「頑張って!応援する!」とFacebookのコメントでしか話したことない人から連絡がきました。

前者の人とは連絡しない決意をしました。
後者の人とは今ではリアルで会う友達です。

自分を大切にしてくれる人とだけ付き合う。
冗談でいじられるのもお互いが良ければ良いですが、それを受け入れるたびに自分が嫌いになるなら「やめて」という勇気が必要です。
それでもやめてくれなければ、そっと離れる勇気を持ちましょう。

話を戻します。
結果的に私は4Kgくらい痩せました。
それでもまだ70Kgくらいでしたが、努力の結果が出て嬉しかったです。
そしてファッションやヘアメイクも研究しました。
今までファッションは、太っているから‥とおざなりにしてきました。
ネットで調べてみると体型をカバーするファッションコーディネートが紹介されていて大変勉強になりました。
痩せてからおしゃれをしよう!と思っていたけれど、太っていても可愛いファッションはできる!と気づいたのです。

そして最近ではLサイズ以上の大きなサイズのブランドがあることを知りました。
そして大きなサイズのモデルさんがいることも知りました。

プラスサイズモデル・・・!

ぽっちゃりサイズのモデルさんのことをプラスサイズモデルと言うのだそう。

やってみたい!と私の心は動きました。
私はモデル事務所のオーディションを受ける決意をしました。

コロナ禍になりオーディション日は延期になり、なかなか結果が出ない日々。
もうダメかもしれない、と思った時に友人の言葉がキッカケでSNSにモデルになりたいと書いてみることにしました。
飲食店に行った時の食事記録としてだけ使っていたInstagram。それに初めて顔写真を載せました。モデルになりたい!と書きました。

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初めてInstagramにアップした写真。よく撮れていて気に入っている1枚ですが、当時は自分の写真をアップすることでの批判を相当恐れていました。

投稿を押す指は震えていたと思います。

それくらい怖かった。
こんな太った私がモデルになりたいなんて言ったらみんなに笑われるのではないかって。

でも蓋を開けてみたら、コメント欄には温かい声がたくさん書き込まれました。
頑張ってね!素敵だね!と言う言葉ひとつひとつに胸が熱くなりました。

「太っていることは可愛くない」と言う呪いが解けた日。

Instagramに投稿してから少し経ったある日、一通のメールが届きました。
モデル事務所からの連絡でした。
その日にオーディションを受けて、その1カ月後には仕事をしました。
そうです!オーディションに受かったのです!

モデルになってお仕事をさせてもらうようになってからも、最初の頃、私はやっぱり自分の体型が好きではありませんでした。

でもある日、モデル事務所のレッスンで私の気持ちを変化させる出来事が起こります。
そこにいたモデル仲間がセパレート式の上下別れたお腹を見せるタイプのスポーツウェアを着て来たのです。
もちろんその人もぽっちゃり体型。
でも彼女のことを、とても可愛くて素敵だと思ったのです。

私も勇気を出してセパレートのウェアを買ってみました。
そして次のレッスンでウェアを着ていきました。

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その時買ったスポーツウェア。みんなが褒めてくれたのが嬉しくてこの自撮りと共にSNSにアップしました。お腹を載せることに、まだ抵抗があった頃ですが勇気を出しました。

小馬鹿にされたら自虐する準備まで頭で考えていたけれど、そこに居たみんなは「新しいウェアかわいいね!似合ってる!」と言ってくれました。

プラスサイズモデルの仲間はとても優しくて可愛いです。
みんなを可愛いと思えるのだから、私だって私のことを可愛いと思ってもいいのではないか?とふと思いました。

痩せていないと可愛くない。

そう思っていた私。

笑顔がとびきり可愛いプラスサイズモデルの仲間達が、それは違うよ!と言うことを教えてくれました。

コンプレックスを無くしても自分を好きになれる訳ではない。

もちろんすぐに自分最高!大好き!となれたわけではありません。

ひとつひとつお仕事をしていくことで自信をつけていったり、周りのプラスサイズモデルが「ありのままの自分を愛そうよ」と言うボディポジティブな発信をしているのをみて影響を受けたりしました。

私自身で努力もしました。
鏡で自分に向かって「私、可愛い」と毎日言ってみました。
Instagramに自分の写真をUPすることで、自分の魅せ方がわかったり、他人の目線に慣れていきました。

今まで周りの人に「あの子は太っているから可愛くない」と思われている気がしていました。
でも、その声は周りの人の声ではありませんでした。
私が、私自身を痛めつけている声だったのです。

コンプレックスを消しても、自分を好きになることはなかなかできません。
なぜなら他のコンプレックスがまだあるから、次はそこに目がいくからです。

大事なのは、コンプレックスがあるままで、自分を愛せるようになることです。

自分を愛せるようになるには物理的にコンプレックスを無くすことではなく、あなたの気持ちを変化させること。そうしたら一瞬でガラッと世界は変わります。

「自分自身を嫌いなメガネ」を外して
「自分自身が好きなメガネ」を掛け直しましょう!

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最近撮影した写真でお気に入りのもの。メガネをかけ直すのも良いですし、好きなお花を持つのも良いですね!好きなことと共に生きましょう!

次回は、私がありのままを好きになるまでの総集編です。

(vol.3最終章へ続く)

はまゆっこ

●著者プロフィール はまゆっこ

日本で活躍するプラスサイズモデル

モットーは【心に素直に、楽しいにまっすぐに】 太っていてもおしゃれを楽しめる世の中にしたい。心も体も健康な人を増やしたい。素直さと行動力が自分をハッピーな場所に連れて行ってくれる!

ファッション専門学校卒。学生時代に様々な賞に入選。その後アパレルデザイナーとして働く。
25歳の時に統合失調症を患い、閉鎖病棟に入院。
大好きだった職を失い、自分を愛せない苦しい時期を過ごす。
29歳の時に、人生を変えるために憧れの本の著者に突撃アポイントメールを送り10日間で28名の方に会ってもらうことになる。
そこで出会った起業家さんに「君みたいな人は東京に出てきたら良い」とアドバイスを受け、トランク1つと全財産4万円を握りしめて上京。
その後、体当たりでライターをこなしたりラジオパーソナリティーに抜擢されたり行動を起こしていく。現在は良きパートナーに恵まれ心身共に元気に幸せに暮らしている。

自分を好きになるための努力の過程で、コンプレックスだった体型を好きになることができ、それがキッカケでプラスサイズモデルとして活動開始。
SNSでは、過去の辛かった頃の自分を励ますように、語りかけている。
今を幸せに生きることが、苦しんでいる過去の自分と、同じような境遇の方の支えになると信じて。

GLAPOCHA所属 お仕事依頼はメールにて ( info@glapocha.jp)

SNS等
Instagram https://www.instagram.com/hamayucco
Twitter https://twitter.com/hamayucco
YouTube https://www.youtube.com/c/shirahamatv

電子書籍
「自分が嫌になった時の対処法28選
〜鬱で自己肯定感が低かった私が、自分を好きになるまでにした事〜 」
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●シェアハウス事業「シラハマハウス」
公式サイト
https://shirahamahouse.com/shinjuku/
シェアハウスのポータルサイト「colish」に掲載されました
https://colish.net/concepts/1762
●はまゆっこのnote

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