自己受容とマインドフルネス-小笠原 和葉-
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自己受容とマインドフルネス-小笠原 和葉-

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この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
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マインドフルネス・アドベントカレンダー2021も後半に突入しておりますね。ここまで毎日読み進んでこられた”マインドフルネス猛者”のみなさま、こんにちは。(あるいはそうでない方も)



ごあいさつ

ボディーワーカーの小笠原和葉です。
「心と身体は“つながっている”、というより“切り離せない一つのもの”」というアイディアをベースにして、ボディーワークやトラウマ療法のセッションを提供したり、心と身体、あるいはそれをつなぐ神経システムのお話などをさせていただいたりしています。

という自己紹介を昨年もさせていただいておりました。

今年は東北大学医学部大学院での研究生活も始まり、究極の一人称であるいのち(ボディーワーク)と、同じ生命を三人称のエッジで扱う現代医学との両方の視点から「ヒト」について探求しています。

マインドフルでいることが難しいシーンって?

ところで、みなさんが日常でいちばん「マインドフルでいることが難しいシーン」っていつでしょうか??

あるいは、言いたいことがあっても周囲の目を気にして飲み込んでいるとき?人を出し抜いて成功している人を見て心底怒りと嫉妬の気持ちが湧いて、むきー!くそー!と心の中は罵詈雑言に満ちている…けれど平静を装っているとき・・??

わたしたちの感情と想像力のエネルギーって、ほんとうに膨大です。一説には人が最も創造性を発揮するときは「言い訳を考えているとき」だそうで、自分が居心地が悪い思いをしているときほど思考と想像力は暴走するものですよね。その対象が、何であれ!

ボディーワークと、身体志向の心理療法の個人セッションをしている私のところにも、さまざまな痛み苦しみをお持ちの方がいらっしゃいます。(お持ちじゃないただの身体オタクや可能性開発の一環としておいでになる方も多いのですが。)

その臨床経験の中で思うのは、実はわたしたちを最も苦しめるのは、「他者」や「状況」ではなく、「自分自身に対するジャッジだ」ということです。

出来事ではなく「自分へのジャッジ」が自分を苦しめる

マインドフルでいられなくなる、
つまり「状況をただあるがままに、今ここにとどまりながら見つめる」ことが難しくなるシーンでも最高難易度レベルにランク付けされるのは
「自分の中に嫌いな自分を見つけた時」
だったりしないでしょうか。(もしかしたら隠れ第一位かも知れぬ)

「この部屋に入ってくる前のことは忘れて。
この部屋を出ていったあとのことも忘れて。
自分をジャッジしないで」

これは、わたしがアトピーに苦しんでいたエンジニア時代にたまたま門を叩いたヨガスタジオで先生に言われた言葉です。
クラスの導入として、ヨガマットに横になって身体の力を抜きながら先生のこの言葉を聞いたときに、「がーん!」と衝撃を受けたことを昨日のように思い出します。

「自分をジャッジしないで」

一体どれほどのジャッジを、自分に対して繰り返してきたことでしょう!いや繰り返すどころか、絶え間なくジャッジしてきた人生だったと、その時その自分への暴力性にはたと気付かされたのでした。

「あと20分早く起きたいっていつも思ってるのに。だめだなあ、わたし。」
「もっと体を動かさないといけないのに、ジョギングは3日坊主で終わってしまった…なぜいつも継続できないんだ」
「マインドフルネスやってるのに、また感情的に反応してる」
「あのクライアント先苦手なんだよな…。行くたびに緊張して帰り道はぐったりだよ。(こんな自分はだめだ)」
「あの人も、あの人も、みんなすごい。そしてわたしはダメだ。」

一日に何回、自分をちゃんとさせるために、今とは違う理想の自分になるために、監視したり、尻を叩いたり、ジャッジしたり、ダメ出ししたり、認めてあげなかったりしてるだろう??

「すべての声に居場所をあげる」

アクションが自分の内部空間で完結しているからその暴力性に気づかないけれど、これ他人がやっていたらほぼ炎上案件ではないですかね。内的ブラック企業…。

だから、マインドフルネス瞑想中に、わき起こってくる感覚や思考をただただ眺めるように、自分の中にある「自分へのジャッジやダメ出し」をただマインドフルに気づいていてあげてみることを試してみたら、どんな感じがするでしょうか。


監視する声:
それはしちゃいけない、とか、いつもうまくやれているかをチェックして理想との差分を指摘してくる声、「まだまだマインドフルになれない」とかね

尻を叩く声:
もっとこうじゃなきゃ、まだまだだ、甘えちゃいけない、さぼっちゃいけない、○○するべき、○○ねば、などのいわゆる「べきねば」などの声

ジャッジする声:
○○な自分はダメだ、○○な自分はホニャララ(←何かしらのジャッジやレッテル)だ

認めてあげない態度:
自分についてネガティブな点、不足点にばかり敏感で、自分がやれたこと、自分が持っているリソースについて過小評価するか自分に成果を認めてあげない

こういう自分自身のエネルギーを下げるような声や態度がに気づいたら、それをさらにジャッジする(ジャッジの多重債務)のではなくて、それもまるっと「マインドフルに」ただ優しく気づいて耳を傾けてあげて欲しいなと思うのです。そして全ての声や気持ちに、今このひととき居場所をあげて、共にいてあげてほしいのです。

例)
ああ、あの人へのムカつく感じ…これってただの嫉妬だな、うまく行かなければいいのに、っていういじわるな気持ちがあるな、アカンなわたし‥.
→「ムカついている自分」「嫉妬の気持ち」「アイツうまく行かなければいいなって思ってる自分」がいるね。
さらにその自分を「アカンな」ってジャッジしている声も、あるんだね。
分かったよ、全部の声が、そこにいること。気付いてみているよ。そこにいていいよ。

ついつい「いいやつ」と「いけないやつ」に分類して、ダメな方の自分を排除しようと頑張ってしまいそうになる自分の力みをリラックスさせながら、ただすべての自分の断片をしずかにながめてみる。あるがままに。変えようとせず。ゆっくりと、呼吸をして、からだをゆるめながら。

これはセッションでもとても有効で、身体の痛みであれ、ネガティブな感情であれ、意識に上ってきたら、
「それを眺めていることはできそうですか?」
「とりあえずちょっと一緒にいてみてください」
「呼吸は続けて、やさしい目で」
なんていうふうに声掛けしながら、ゆっくり進めていくとある時ふぅ〜…とクライアントさんの呼吸が深くなって、表情が和らいで、なにかawareが起こって来たりします。(来ないこともある)

その様子を見るといつもわたしは「成仏したな〜」って思うのです、笑
自己受容、って、自己を受容するぞ、がおー!という力みじゃなくて、自己を肯定しなかった自己(ややこしい)が、そうかそうかそんなお前もかわいいのうと迎え入れられて、労われて、役目を終えて、成仏して行くことのように思えます。(そしてそれこそが癒やしと呼ばれるのだ。セラピーとはお焚き上げみたいなものである。)

「内的ブラック企業」から「内的ティール組織」へ??

どうやらすべての声(心理療法においてはそれらを、断片化されたその人の「パーツ」として扱ったりします)は、追い返したり克服しようとすると却ってパワーを増し、逆に「認め、居場所を与え、マインドフルにながめてあげる」と、満足して成仏するもののようです。まるで、「みてみて〜」と何でもかんでも見てもらいたがっては、見てもらったら満足して次の遊びに移っていく子供のように。

しかし!かくいうワタクシも、セッションでクライアントの心身をプロの技法で扱うことはできても、自分のこととなるとイキナリムズカシーのであります。しかしそれは性というもの。難しい自分を、後ろめたく思わない。
波立つ自分の内側を見つめながら、マインドフルな身体感覚で、それに優しい視線を向け、ただ「成仏」していくのを見守る。

うまく行っても行かなくても、ただやってみる。やり続けてみる。
そうすると、すこぉしずつ、自分の中に平和が育っていく。何かが養われていく。
自分との和解が進めば、それはきっと世界に投影されていくと信じて、続けてみる。

その小さな平和を積み上げたら、内的ブラック企業は、内的ティール組織へと変貌とを遂げるかも知れません?!(よく分かんないけどちょっと言ってみたかった…)


Enjoy your life …

最後に、冒頭わたしが「がーん!」ときた言葉をくれた先生が、バリでのリトリートでわたしにくれた、もう一つの「がーん!」と来た言葉をシェアさせていただきます。

Enjoy your life at every moment. (人生のすべての瞬間を味わい愛でて)

あらゆる瞬間、人生を、今という時を、
あなたの中に立ち現れるすべての反応を、すべての自分の声を、
あなたが「マインドフルに」enjoyすることができますように。

どうぞすてきなクリスマスを。
そして、すてきな人生を!


■プロフィール

小笠原和葉/ボディーワーカー
一般社団法人 OurDynamics 代表理事
WEBメディア『Magellan』編集長

大学院で宇宙物理学を専攻後、SEとして国内大手ITベンダーに就職。その後、自身の健康への問題意識をきっかけに、フィジカルとメンタルとの関係性に着目、研究を始める。
人間全体をひとつのシステムとしてとらえ、より良く生きる生きるための身体性や生理学について 個人から企業までそれぞれのニーズに合った形で幅広く教育・啓蒙を行いながら、代替医療から現代医学まで幅広く学術・臨床研究を深め新しい健康観「健康3.0」を探求している。

・著書 「理系ボディーワーカーが教える"安心" システム感情片付け術」(日貿出版社)
・メディア掲載に「anan」「PHPらくーる」他多数、がある。
 趣昧はフィギュアスケート鑑賞。一児の母。

ソマティック・エクスペリエンシング®(SE/Somatic Experiencing®)認定プラクティショナー
クラ二オセイクラル・プラクティショナー(CHA)アシスタント・チューター
力リフォル二ア州認定マッサージプラクティショナー
宇宙物理学修士
東北大学医学部大学院研究生


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