なぜ”今ここ”に意識を向けることが大切なの?

前回はマインドフルネスとは「”今ここ”に意識を向けること」というお話をしました。
今回はなぜ”今ここ”に意識を向けることが大切なのか?を見ていきましょう。

もくじ

人間は過去や未来のことを考えると不安・心配になりがち

人類の長い歴史の中で、こんなにも安全で食べるものの心配がいらない毎日を送れるようになったのはごくごく最近のこと。
昔は、いつ野生動物に襲われるか分からない、いつ食料が途絶えるかも分からない、という状況でした。

そこで、過去のことを思い出して「あの時ああしていれば・・・」と後悔し、未来を思い「もしこんなことが起こったらどうしよう」と悲観することで、今できる備えをして生存確率を上げてきたのです。

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その結果、人間の性(さが)として過去や未来のことを思い浮かべるとデフォルトでネガティブバイアスがかかるようになっています。つまり、今ここでは無いことを考え続けてしまうと、無意識のうちにうつうつとした気持ちになりやすい、ということです。

ネガティブバイアスというと悪いことのように聞こえますが、全員が「大丈夫!明日も万事うまくいくさ!」というポジティブ人間のままだと、人間はここまで命をつないでこられなかったかもしれません。思考し、用心することが生き延びるために、重要なことだったのですね。

不安にとらわれてしまう仕掛けがあふれている現代

一昔前までは、現在のようにビッグデータで過去のことを知れるわけでもなく、AIで未来予測ができるわけでもありません。村の長老に話を聞いて、空の様子などを観て・・・できる備えは多くはありません。

一方で、生活自体の安全性は向上した現代。スマホやネットの普及で、平安時代の人が得ていた情報量を一日で得られるようになっているとも言われています。

スマホの通知では心の準備もないまま、誰かの悲しいニュースが目に飛び込んできてショックを受けたり、SNSを開くと数年会ってもいない友人の幸せ報告を素直に喜べない自分に自己嫌悪に陥ったり。TV CMやネット広告では、今まで気にもしていなかったようなことで、不安をあおられてしまったり。

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意識的に「今ここ」に意識を向けないと、過去や未来、ここではないどこかに気持ちがいってしまう仕掛けが随所になされています。

過去や未来のことを思考したり、ニュースを見ることが悪い訳ではなく、“無意識に”過去や未来、自分では無い外にばかり意識を向けている、という状態が続いているということが問題なのです。

“今ここ”に”意識的に”注意を向ける

そこで「マインドフルネス=今ここに意識を向けること」が大切になってきます。
今ここに注意を向けることで、ネガティブバイアスから解放され、心の安定が得られるのです。

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現代人にとって、なぜマインドフルネスが重要なのか、少しつかめてきたでしょうか。

イラスト * オクヤマナミ
(Twitter:@nami_okym)
一言コメント:「”あずき枕”にハマっています。温めたあずき枕を首に当てると、じんわりとした温かさがほっとリラックスできる時間です」

文 * 松元絢
(Mindful.jp 編集長 、Twitter:@Ayapann88)
一言コメント:「在宅時間が長くなったので、オシャレなデザインの電気ケトルを新調して、白湯やコーヒーを味わう時間が一層楽しみになりました」

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