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日本のマインドフルネス界の光と影?!-松元 絢-

こんにちは、『Mindful.jp』編集長の松元 絢(まつもと あや)です。

マインドフルネス・アドベントカレンダー最終日。
12月1日から昨日までの毎日、マインドフルネス界の先輩方に寄稿いただいて、私が何を言えるだろう、とひるみます。

だからこそ、やはりここに触れなくては、と思いました。

それはこの『Mindful.jp』を始めることになった一つの気づきについてです。
これまでも初めましてのご挨拶や、私自身のマインドフルネスの原体験についての記事でこのサイトをどんなものにしていきたいかは書かせていただきました。今回は、メディアなんてやったことがないど素人の私が、なぜこの『Mindful.jp』をやらねばならぬと思ったか、そのきっかけを綴りたいと思います。

それまでの私は、一人のマインドフルネストレーナーとして、コツコツ目の前の方にマインドフルネスを届けていけたら幸せだな、と思っていました。すでに日本のマインドフルネス界には、素晴らしいコンテンツやプログラムを提供されている方が多数いらっしゃり、特段自分が何か前に立ってやる必要などないと思っていたからです。

しかし、一つの気づきが私を動かすことになりました。

建長寺で感じた違和感

昨年9月22日、私は日本最大規模のマインドフルネスのカンファレンス『Zen2.0』に参加するため、鎌倉の建長寺にいました。

そこで関西学院大学の池埜教授とスタンフォード大学のスティーブン・マーフィー・重松教授による「アメリカにおけるマインドフルネス・ブームの光と影」というセッションを受講しました。

セッション前半では、「マインドフルネス発祥の国であるアメリカでは、約6,000の小中学校でマインドフルネスが正式科目として実践されるなど広がりをみせている」という光の部分のお話があり、後半では、スティーブン・マーフィー・重松氏がマインドフルネスブームの影の部分の一つとしてこんな話をされていました。

「歪なカルチャー形成と多様性に対する閉塞感」

2017年のデータでは、マインドフルネス実践者の83%が白人系で、大学卒業の富裕層、女性が積極的に取り組んでおり、自己実現の道具として使われナルシズム文化を形成してしまい、多様性に対して閉鎖的な考え方になってしまうことがある。(引用:マインドフルネスプロジェクト)

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(写真提供:マインドフルネスプロジェクト)

私は「へえー、心理的安全性が高いマインドフルネスの場でも、アメリカではそんなことがあるんだー。」と、あくまで外国の話として聞いていました。

スティーブン・マーフィー・重松氏は英語でお話されるため、逐次通訳がありました。しかし、ところどころは日本語混じりでお話されるので、だんだん通訳がなくなる場面があり、英語のみでセッションが進行する中、重松氏が冗談をおっしゃっいました。すると、そこにいた参加者からどっと笑いがおきたのです。
その時私は強烈な違和感を感じました。

「えっ、こんなに多くの人が、通訳なしで分かってるんだ…!」

思わず周りを見渡して見知った顔を確認しましたが、その友人達はおそらく大学卒だろうと思いました。

日本でも同じことが起こっている…。日本のマインドフルネスも、一部の人のハイソな感じの文化になってる。」

そう思うと、なんだかゾワっと気持ち悪さを感じました。

「一応私も四大卒だし、初めてマインドフルネスに出会ったのは上場企業に勤めていたときの会社のプログラムだったし・・・。」
と、自分自身の境遇に対するバツの悪さも感じました。

そのモヤモヤは、触れてはいけないタブーのような気もしました。
マインドフルネスというものの性質上、誰にでも開かれていて平等に機会が与えられているものであるべき、と思っていたからです。
しかし、確かに感じてしまった違和感を一人で抱えきれず、帰りの電車で一緒になった照井さんに打ち明けてみると「確かにそうですね」と共感してくれて、ホッとしたのを覚えています。

先人が切り拓いた日本のマインドフルネス

さて、こちら▼、なんのリストだと思われますか?

・学習院大学理学部数学科、京都造形芸術大学建築デザイン
・関西学院大学
・関西外国語大学外国語学部
・京都芸術大学芸術学部、慶應義塾大学法学部、マサチューセッツ工科大学 スローン経営大学院
・慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
・慶應義塾大學 環境情報学部
・慶應義塾大学商学部
・慶應義塾大学社会学研究科社会学専攻(臨床心理学)
・国際基督教大学
・専修大学 経営学部
・中央大学総合政策学部
・東海大学大学院 理学研究科 宇宙物理学専攻課
・東京外国語大学
・東京大学 工学部 応用物理 物理工学科、東京大学大学院 新領域創成科学研究科
・東京大学工学部システム創成学科
・東海大学政治経済学部経済学科
・日本女子大学
・法政大学 社会学部
・早稲田大学
・早稲田大学理工学部
・早稲田大学政治経済学部
・早稲田大学大学院人間科学研究科

実は、このアドベントカレンダーを書いてくれた方々の私が拾えた限りでの学歴のリスト(22人/25人)です。

当初この記事では、アドベントカレンダーを振り返っての感謝の気持ちを書いて爽やかに締めくくろうと思っていたのですが、毎日記事を提供してくださる方のプロフィールをチェックしていて「うわっ!この人もこの人も・・皆、高学歴かよッ!」とつっこまずにはいられませんでした。
そして、あの日建長寺で感じた違和感が蘇ってきました。

日本のマインドフルネス界にダイバーシティはないのか?!
大学卒の恵まれた環境にいた人のためのものなの?!
と。

実際にはそんなことはないですし、もちろん皆さんが楽にその学歴を手にされたとは思っていません。
マインドフルネス界隈で私がお会いする方は、広く色んな方に知ってほしいという思いをお持ちの方ばかりで、そのために献身的に活動されています。

ではなぜこうもマインドフルネス界隈には高学歴者が多いのでしょうか。これは私見ですが、マインドフルネスという目に見えない新しい概念やメソッドを広める段階では、信頼を獲得するためにある種の権威性が必要だったと考えられます。今までにない市場を開拓するのですから、ビジネスセンスや、考える力も必要です。
論理的思考や説明能力無しでは、一見「怪しい?」とも捉えられかねないマインドフルネスを仕事にして広めていく、ということができなかったでしょう。
また、これまでのアドベントカレンダーの中では「自分に厳しく、ストイックで、頑張りすぎて燃え尽き症候群になりそうなところをマインドフルネスに救われた」というエピソードも多くありました。

こうして、先人達が自身の原体験を持って、ストイックさやビジネス能力を発揮してくれたからこそ、マインドフルネスを今の日本で「Googleでも取り入れられてる、あれでしょ?」ぐらいまでは知られるようになってきたのだと思います。

私もそのお陰でマインドフルネスに出会えましたし、今現在、仕事にもなっています。有難いことです。

「次世代型マインドフルネスガール」

そうやって先人達の努力の甲斐あってマインドフルネスは「よくわからないもの」から、「役立つもの、自分のためになるもの」と認知してもらえるようになってきました。
であれば、これからの時代は誰かが燃え尽きそうになる前に、もっと前の段階でマインドフルネスに出会って、毎日持ち歩くスマートフォンのように、自然に身について活用していける世の中になると良いなと思っています。

というのも、私は以前のインタビュー記事でもお話したのですが、自分を俯瞰して見るメタ認知の癖が昔からありました。マインドフルネスを知るずっと前です。だからこそ、人生でしんどいなと思った時期も、落ち込みすぎずに周りからは「全く悲壮感がなかった」と言われるぐらいで乗り切れたのだと思っています。(もちろん、今も昔もずっとマインドフルネスでいられている訳ではないですが・・・)

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それを、マインドフルネスマップを書いてくださったHPLの山下さんにお話した際

「あなたは天然のマインドフルネスガール、次世代型だね。」

 と言われました。
私がガールかどうかはさておき(笑)、確かに、とにかくがむしゃらに走ってポキっと心が折れそうになってからマインドフルネスに出会った先輩方が第一世代なら、私はその苦労を知らずしてマインドフルネスな時間を過ごすことに価値を置いていた次世代型なのかもしれません。

そして最近、学生さんへのマインドフルネス講座をしていて感じることがあります。

画一的な幸せを求める時代から、多様なあり方が肯定される時代へ。
モノよりコト。

こんな価値観を持った現代の若者には、心が折れそうになるまでガムシャラに走る経験をせずとも、マインドフルネスは自然に受け入れられるだろうなあ、と。

とはいえ、先ほど私が感じたように、まだまだ日本ではマインドフルネスは一部にしか届いていません。
もちろん『Zen2.0』のようなカンファレンスのチケットを買って、1日中マインドフルネスの話を聞いていたい、なんて人はある意味オタクだと思うので、あの場に居合わせた人についてだけで、そう言い切ることはできません。

しかし、私の肌感覚では、日本でマインドフルネスを知る機会としては、研修体制のある企業やたまたまマインドフルネスに興味を持った方がいる企業内で研修を受ける、「集中力を高めて生産性を上げたい」「心を整えたい」と思っている情報感度の高いビジネスパーソンが本や記事などで知る、人生に行き詰まり生き方を変える必要があると感じた方が自力でたどり着く、というパターンが多いように思います。

そこで私は、今の日本でヨガがそうであるように、「マインドフルネス」という言葉を誰もが知っていて、どんなものか知りたいと思ったときに知れて、やりたいと思ったら実践できて、深めたいと思ったら深められる状態にしたい、と思うようになりました。

そう思っていた矢先に、このウェブサイトの『Mindful.jp』というドメインがたまたまオークションに出ているのを発見し、取得しました。
最初はこのドメインを、自分のマインドフルネス研修のページ用に使おうと思っていたのですが、せっかくシンプルで覚えやすいドメインなので、自分だけのために使うのはもったいないかも、と思い直し、先ほどの「マインドフルネスを一部の人だけのものにしたくない」という思いと結びつき、「よし、マインドフルネスについて誰もが知りたいと思ったときに知れるようにするためのメディアをやろう!」と思い立って今に至ります。

「踊る大捜査線」作戦で日本のマインドフルネス界に光をあてる

以前MiLIの荻野さんとこの話をしたときに、

「(世界を変えるためには)企業のトップを変えた方が早い。ボトムアップももちろん大事だけど、時間がかかるんですよ。早く変えたいから、影響力を持っている人たちにアプローチしたい。」
「だからMiLIとしては上場企業の10%になんらかの形でマインドフルネスを届ける。そうすると早く浸透していくんじゃないかな。」

というお話をしてくださいました。なるほど、納得。

そのとき私は勝手に思いました。荻野さんと私は、踊る大捜査線の室井さんと青島みたいだな、と。

「荻野さんは上から、私は現場から、日本を変えるのだ!」

さて、「日本のマインドフルネス界の光と影?!」なんていうキャッチーなタイトルで『Mindful.jp』開設のきっかけについてつらつらと書いてきました。

あくまで私が見えている世界で、私が感じている課題感なので、もしかすると「全然そうじゃないし」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
でも、事実私の周りには「松元さんがマインドフルネスって言ってるから、その言葉を知った」「松元さんがやってるマインドフルネスって何?」と言ってくれる方が沢山います。それが、「ああ、松元さんってマインドフルネスやってるよね」とさらっと言われるぐらいになるまで、この『Mindful.jp』を続けていきたいと思っています。

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プロフ丸

■プロフィール

松元 絢
(まつもと あや)
マインドフルネストレーナー

1983年生まれ、岡山県出身。人材系企業で営業・キャリアカウンセラーなどを経験したのち、外資系IT企業セールスフォース・ドットコムにて営業人材育成を行う。目まぐるしいスピードで変化する現代の心を整える手法としてマインドフルネスに興味を持ち、トレーナー資格を取得。
企業内外でマインドフルネスワークショップを開催。

・まなびやアカデミー認定 マインドフルネストレーナー/アドバンスコースディプロマ
・マインドフルNLP®︎プラクティショナー
・全米ヨガアライアンスRYT200
・エキスパートファスティングマイスター

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