この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
その他のマインドフルネス・アドベントカレンダーの記事はこちら。
AM8:07
山下家にとって、毎日迎えるクライマックスだ。4歳の娘を幼稚園バスに乗るために家を送り出さなければいけない時間。
「早くしなさい!」
「いつまで遊んでるの!」
「バス行っちゃうよ!」
夫婦でよってたかって、着替えさせたり、食べせさせたり、右往左往しながらなんとか毎日送り届けるというというのが、僕の朝のマインドフルネス・プラクティスの一貫だ(笑)
この状況で自分と娘と妻とどうマインドフルに振る舞えるか?それは至難の技。
娘のことを、よくマインドフルネスの先生と言っているけど、あの人たちは、本当にイマココしかない(笑)
いただきまーすと言って食べるかと思ったら、目の前にあるもので遊び出し、食べていることを忘れ、また遊んでることを忘れ、今度は0歳の妹の赤ちゃんにちょっかいをだし・・・常に目指していたことや計画のことを忘れ、イマココのプロセスに没頭している、さすがマインドフル先生。
しかし、マインドフルすぎると、社会適合できないんだなということが、先生を見ていると明らか。そのままでは幼稚園に行けない。そしたら、家族みんなが困るので、それは困る(笑)
マインドフルでいることと社会と適合していくことを統合していくにはどうすればいいか?と言う社会的な課題が、子供との毎日の葛藤の中に立ち現れてくる。
そんな中で、いろいろ試行錯誤しながらわかってきたこと。
1. 恐れによるマネジメント
「◯◯しないと、XXできなくなるよ!」
という恐れによるマネジメント。これは、誰もが困ったときにあまりよくないことだと思いながらも仕方なく出す打ち手だが、子供には意外と効かない。
2. モンスターの登場
「お化けがくるよ、魔女さんがくるよ!」
というのも同じだが、フィクションのモンスターを登場させること。こちらは、面白いことに現実的な恐れよりも効き目がいいので、これもついつい使ってしまうやつ。
3. インセンティブ
「8時までにご飯食べたら、ポイント(お菓子、youtube)あげる」
これは覿面に効く。ただし、それが癖になってしまうので、あまり使いたくないやつ。
どれもあまりよくないなと思いつつ、でも、どうすればいいか?頭を悩ませている中で、友人から参考になるかもと、この動画を送ってくれた。
「娘を寝かすために秘書になる父。」
娘を社長に見立てて、この後の予定を矢継ぎ早に話し、5分後にはお布団に入り、30分後には夢の中でプリンセス とのミーティングがあるとの予定を告げるお父さん、娘は即寝ることを承諾する。
第4のアプローチ
僕は、この「第4のアプローチ」があることを知って、感動して止まなかった。
もうこのお父さんの行動は愛としか言いようがなくて、涙が止まらなくなった。
逆に、上にあげた3つのアプローチしかできていなかった自分に対して、とても悔しく思った。結局、3つのアプローチは、うまくいくようにするために自分が困らないようにするか、ものごとを効率的に片付けようとするアプローチでしかない。
第4のアプローチは、自分の中で主体的に創造性を発揮しなければできない。そして、何より娘の夢の中に一緒に入り込んでいくのだ。
これは、単なる作り話をすればいいという話じゃない。この二人は、「ドリームタイム」という特別なイマココを、一緒に「リアルに体験」しているんだ。
僕は、いつも娘と一緒にいるけど、本当にこのドリームタイムの中に一緒にいるか?
一緒にいるのに、その物語の中に一緒にいないことはないか?
彼女の夢という現実の中の登場人物として、自分はそこにリアリティを持って存在できているか?
日々このように葛藤していることを、幼稚園の先輩ママたちのLINEのスレッドに投稿して相談してみたら、他のお母さんたちが「そうやって悩んで葛藤していることがなんだか微笑ましい、そんな時もあったなあ」という、すごいメタ認知したコメントで、微笑みと愛で接してくれたことから、こんな日々の葛藤も今しかない掛け替えのない思い出になるだけなんだなと。
そんな娘もある日突然、自分で着替えてきたり、自分で片付けてきたりして、どう?すごい?と言い出したりして日々進化していく。そうすると、よくやった!と思う以上に、逆にどこかで切なさを感じてしまう。
ああ、もう「できなかったときには二度と戻れないんだ」って。
もっと小さい時も、喋れなかった言葉が喋れるようになったときにも、もう一生「チョコ」のことを「コチョ」って言ってくれないんだなって・・・
自分の人生を振り返ったときに、あんなこともこんなこともあった、辛いこともうまくいかないこともあったけど、でももう戻ることができないと考えると・・・
やっぱり、今目の前の葛藤こそがどれだけ貴重で美しい体験なのかと思えるのだ。
子供はできないから可愛いし同時に憎たらしい・・・おじさんになったら、憎たらしいしかなくなってしまう。今できないおじさん(=自分)も可愛いと微笑みを持って接してあげよう。(できない僕には、ぜひそうしてあげてね、みなさんw)
(追伸)
昨日、妻が娘を寝かしつける時、娘は内緒だよといってこう言った。
「ママが一番大好きだよ。」
そしてその後に続けて
「でも、自分のことも一番好きなんだ。」と言ったという。
じゃあ、パパは何番?と聞いたら、
「パパは0番だよ。」
うまい!(笑)
これからも、ついていきます、マインドフル先生!
瞑想よりも、リトリートよりも、もっとすごい気づきをもたらしてくれる、日々の生活、共に生きてくれている家族に感謝。
いつもありがとう。
■プロフィール
山下 悠一
Yamashita Yuichi
(株)ヒューマンポテンシャルラボ 代表取締役CEO
早稲田大学理工学部出身 外資系コンサルティングファームに12年勤務し、企業戦略から 人事戦略・組織開発、システム導入まで幅広く等を手がける。 近代西洋パラダイムに基づく経営手法の限界を痛感し2015年に ドロップアウト。 ブログ「僕がアクセンチュアを辞めた理由」が大きな反響を呼ぶ。 その後、古代叡智から米国カウンターカルチャーまで幅広いウェルネス体験を経て、2018年6月、人の内的成長と潜在能力を高め、本質的なウェルネスを提供するヒューマンポテンシャルラボを立ち上げる。
2019年4月に株式会社アカツキから資金調達を得て現在に至る。
https://note.com/u1style/
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