この連載は、しんいちさんが、会社員として働きながらも、物を減らしリュック1つを背負って、旅するように暮らす日々を綴ります。
▼前回までの記事ピックアップ
vol.2 会社員生活と多拠点生活は両立できる?!僕がADDressを選んだ理由。
vol.8 ふらっと立ち寄ったコーヒースタンドで感じた「旅はいつでもどこでも出来るぞ」という話
今年もまた桜の季節が来た。
大阪に転勤してから3回目、多拠点生活を始めて2回目の春だ。
桜の写真を見ながら、この3年間で僕はどこで、どんな気持ちで桜を見ていたのか振り返ってみた。
2020年 在宅勤務のおかげで知った朝桜の美しさ
転勤後、はじめて大阪で迎えた2020年の春は、日本各地で非常事態宣言が発令されたタイミングだった。
外出はもちろん、大人数で飲食をすることも制限された。
これまでの春とガラッと雰囲気が変わり、静かな春の始まりとなった。
毎日の出社が在宅勤務に変わり、時間を取れるようになった僕は、大阪城公園や大川走りながら桜を眺めていた。
ひとけのない静かな公園で、太陽が昇って空の色が変化していくのと同じように、桜の花びらの色も変わっていくのが、美しかった。
2021年 多拠点で味わう桜
この年も大人数でお酒を飲みながら桜を楽しむスタイルではなかったものの少人数で小さく春の訪れを楽しむ様子が見られた。
厳しい制限が少し緩まったタイミングだった。
僕は、昨年同様大阪の桜を楽しんだ。
加えて、2021年は東京にも滞在し、東京の桜も味わえた。
2021年の1月に多拠点生活をスタートしたからだ。
去年見た大阪城、大川沿いの桜は朝も、夜も美しかった。
関東では鶴岡八幡宮、代々木公園、井の頭公園の桜を眺めた。
多拠点生活のおかげで、フットワーク良く動けるから、その時しかない桜を各地で楽しめて、とても満足した。
2022年 元に戻りつつある「お花見」
今年もまだ、閉塞感のある世の中は続いている。
ただ、少しづつ変化もあって、屋台が出ていたのだ。
川沿いの芝生の上にビニールシートを弾いて、少人数でお花見をしている人たちもチラホラ見かけた。軽トラックでお花見をパトロールをしていたが、少人数で、2時間であればお花見OKだというアナウンスが流れていた。
春を楽しんでも良いよ、と言われている気がした。
直接会って話すことを待ち焦がれたていたであろう人達の嬉しそうな笑顔を見ていると、にぎやかな雰囲気にこちらも心が躍った。
僕は今年、名古屋の桜も愛でる事もできた。
出張を兼ねて滞在中の朝の公園で桜を眺めながら、
これから先、誰もが気兼ねなく、いつでも、どこでも会いたい人に会える時間が持てるといいな、と心から願った。
制限されたからこそ発見できた桜の楽しみ方
ウィルスが世界を飲み込んで、自粛や制限が当たり前になった。
それでも、やっぱり桜を楽しみたいから、僕なりの方法を考えてみた。
ランニングしながらどんどん視界に入ってくる薄いピンクを眺める。
その美しさを切り取りたいときは、足を止めてカメラを向ける。
カメラに収まりきらないときは、じっくりと五感を使って目の前の桜と向き合う。
これまでとは違うけれど、変化していくことさえも楽しんで、その時々で僕らしく桜から季節を感じていきたい。
さて、来年はどんな風に、桜を味わえるか楽しみだ。
旅路は続く。
プロフィール
しんいち:石井慎一
埼玉県入間市出身。社会人から16年を東京で過ごし、離婚や大阪転勤を機に自分の暮らし方を考えるようになる。現在は会社員として人事系サービス企業で大阪支店長の職を担いつつ、全国に拠点のあるADDressを利用し、「旅するように働く、暮らす」を実現している。
・まなびやアカデミー認定マインドフルネストレーナー
・産業カウンセラー
しんいちさんの多拠点ミニマルライフ・ヒストリー
2018年10月
38歳でバツイチ確定後、シェアハウスに転居。当初持っていたのは、掃除機と電気ケトルと服だけ。
2019年6月
大阪転勤を期に、一人暮らしをスタート。家具・家電などが増える。
2020年4月
緊急事態宣言で在宅勤務になり、快適さを追求したくなり、高城剛氏の「LIFE PACKING」から物を減らすことに興味を持ち、「スーツケース一つで生活する」を目指し始める。
2021年1月
一人暮らしのマンションを手放しCoリビングサービス「Address」を契約。多拠点生活を開始。Addressを利用していない時は、間借りしている大阪のスペースで生活している。現在の所持品はスーツケース2つ分。