私の人生を変えたマインドフルネスとは? -村社 智宏/Tomohiro Murakoso-

この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
その他のマインドフルネス・アドベントカレンダーの記事はこちら

みなさん、こんにちは。企業の中で、マインドフルネスを広める活動やマインドフルネスを活用した社内コーチングの実践をしています、村社(むらこそ)です。『Mindful.jp』のみなさん、今回は貴重な機会をいただき、とっても嬉しいです。今回のテーマは、「私の日常にあるマインドフルネス」。私の人生を変え、日々の日常になった経緯を紹介します。

少しでもみなさんに役立つヒントになったら嬉しいです。

もくじ

■ パナソニックの社内マインドフルネスサークル「P-Pause」とは?

画像1

私はマインドフルネスを社内で広めるため、サークル「P-Pause」を立ち上げました。トレーニングを毎日始めて、もう丸5年。今は毎日、オンラインでお昼休みに10分間トレーニングをしています。

サークル名「P-Pause」のPは、PanasonicのP、リモコンの一時停止ボタンを押してちょっと立ち止まろうという意図と、コンセントから電源を抜いて止まりましょうと2つの意図を持って、社内のデザイナーに描いてもらいました。

サークル活動としては、社内SNSとオンラインを活用して現在70名、お昼のトレーニング以外に、情報交換をしたり、勉強会を開いたり、日々和気藹々楽しく活動しています。

これらP-Pauseの取り組みに対し、会社内でマインドフルネスを事業化したいというインタビューを今年に入ってから、4、5件受けました。社外からも注目され、会社でマインドフルネスを広めた事例紹介として2件講演しました。
さらに先日は、P-Pause活動のテレビ取材も2件受け、仕事効率UPやウェルビーイングの事例としてご紹介いただきました。

■ マインドフルネスとの出会い

画像7

マインドフルネスとの出会いは、6年前の2015年10月、私が初めて課長職に就いた頃でした。

当時、年配の社員から派遣の女性まで、多様性のあるメンバーがいて、メンバー全員に効果のあるスキルアップの手段がないかと探していました。その選ぶ基準は、効果に科学的根拠があること、誰でも簡単に始められることでした。

そんな時、健康管理室の保健師さんに、「マインドフルネスっていうのがあるよ」と教えてもらいました。当時、単語すら知らなかった私は、10/19に社内で開かれていた2時間の体験セミナーを受講しました。

そのセミナーでは、呼吸に注意を向けること、食べること、歩くことをトレーニングしました。この時、自分の足の裏で感じた歩く感覚、一粒の干しぶどうの香りと食感を今でも覚えています。

 トレーニングを受けた途端、これだと体感しました。

自分の感覚だけでは不安だったので、当時小学生だった二人の子供たちと一緒にトレーニングしました。NHKのマインドフルネスのテレビを一緒に見て、3分トレーニングをして前後でそろばんの結果を比べました。結果は20%成績が良くなったんです!そろばんをする姿勢がまっすぐで足もピシッとしていて、結果をみる前から、集中していることがよくわかりました。我が子で目の前で起こったことを私は否定できずに、すっかりその効果を信じた瞬間でした。

セミナーを受けて2周間後には、保健師さんの指導の元5人で週1回のトレーニングを始めました。1ヶ月後には、上司を説得して予算を確保し、当時の技術部門全員(150人)に、同じセミナーを業務時間内に受けてもらっていました。

上司の説得には、松下幸之助創業者が瞑想を実践していた事例を紹介し、すんなりOKをもらえました。さすが創業者だなと、改めてその時に思いました。2016年1月からは居室の端に休憩室を作り、そのセミナーを受けた人の中でやりたい人が集まって、毎日のトレーニングが始まったのです。それ以来、平日の毎日、場所はリアルからオンラインに変わりましたが、来月で丸5年間になる、トレーニングが続いています。

■ 会社内に広げるためのハードル

画像6

技術部門を一通り終えて、当時の私の所属する子会社全体(約800人)に活動を広げようとしていました。ただ、それは簡単ではありませんでした。

その最大のハードルとなったのが当時の人事部長でした。
人事部は広くあまねく全員に等しい機会を提供する必要があり、いい意味でとっても慎重です。私の上司を説得した、創業者の瞑想事例では通用せず、社外事例、文献、書籍など、たくさん説得しようとしました。

その間の3ヶ月は、毎週のように時間をもらいトライしました。ちょっと諦めかけた頃、打ち合わせのときにたまたま置いていた1冊の本を見たときに部長の顔色が変わりました。その本は、「世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門」MiLiの荻野 淳也 (著), 木蔵シャフェ君子 (著), 吉田 典生 (著)でした。

私は顔色が変わったのを見逃しませんでした。その打ち合わせの中で、その人事部長が、毎日日記を書いていることを知り、「まさにそのことがマインドフルネスですよ、書く瞑想なんです。」とお伝えすると、
「おー、そうなんだな、ずっといいなと思っていたんだよな」と、大きく一転したのでした。

そこからはトントン拍子、人事が主体となって、6月にはMiLiの吉田 典生さんをお招きして、全責任者参加必須とした、経営勉強会として、「マインドフルネスセミナー」を2時間で実施し、社員向けには「体験会」も開きました。9月には、希望する責任者へのマインドフルネスフォローアップで、セミナーを実施して、名実ともに社内の活動として認知されました。

その翌年の4月の人事部長の人事部の運営方針には、「マインドフルネスで会社を元気にする」と名言されていました。人は変わるんですねー、本当に実感した瞬間でした。

2年間の活動の結果、姫路の子会社でのマインドフルネスの認知度は、6%から74%まであがりました。

それから、日頃一緒にトレーニングするP-Pauseの仲間と、活動を広めるために、パナソニック内で自分達でリアルのセミナー(5回、延べ200人)を開いて、新規活動への募集を行いました。一緒に続けてくれる仲間や広めてくれる仲間がいるからこそ、毎日続けることができます。

2020年4月、子会社から会社全体に近い場所に異動。折しもコロナの流行り始めた時期だったため、リアル開催からオンラインへ変更していますが、毎日お昼休みに10分間、欠かさずトレーニングしてます。

■ マインドフルで得られたもの

画像6

私自身、マインドフルネスを続けて人生が変わったと思ったことがあります。一つは、2017年のグッドデザイン賞の受賞でした。当時、新しいコンセプトと打ち出したいと、デザイナーと連携して、3ヶ月で海外の加工メーカーを使い、3ヶ月でデモ作品を作り上げました。当時、まだ、車にワイドディスプレイはなく、翌年からワイドディスプレイが溢れたきっかけとなりました。

車載向け高精細ワイドディスプレイシステム [Panasonic 高精細ワイドディスプレイミラーレスモニターシステム]グッドデザイン賞の仕組みや、過去のすべての受賞対象が検索できる「グッドデザインファインダー」など、グッドデザイン賞に関するwww.g-mark.org


また、もう一つは五感の変化です。数ヶ月続けると、自分自身の五感あれ、何か変わったな、研ぎ澄まされたなという感覚がありました。風になびく草の匂いであるとか、虫の音や、小さなことにも気づくようになりました。こどものときに持っていた感覚の感じで、当時の感覚を思い出すそんな感じです。また、感情のコントロールができるようになり、怒る前に怒るかどうかを自分で判断して、怒るときには怒る、怒る必要のないときには怒らないと、制御できるようになりました。仕事の中で、怒ることは無くなりました。プロジェクトマネージャーという仕事柄、いろんな場面でとても役立っています。

マインドフルネスを実践し始めてから1年。マインドフルネスをベースにした、コーチングの取り組みに興味を持ちました。国際コーチング連盟の120時間のプログラムを受講し、国際資格の認定のために日々コーチング実践しています。

また、新たな趣味として自分の感性の感じるままに、一眼レフで花の写真の撮影を始めました。息を止めてフォーカスを合わせて、シャッターを切り、息を吐く、まさに、マインドフルネスそのものです。

■ 会社をマインドフルにしたい

私の会社でやりたいことは、会社をマインドフルにすることです。人は、深呼吸してもらったらできますが、会社に深呼吸させるのは難しいです。

会社をマインドフルにするためには、まずは風通しの良い組織を作ること、そのため本業として、社員一万人の会社全体の風土改革MAKE HAPPYプロジェクト(MHP)のリーダーを務めています。

社員をHappyにお客様をHappyにするための企画をしており、昨年は、年間50企画6千人を集客しました。そして、マインドフルネスを基軸として、幸せを届ける、幸せ担当CHO(Cheif Happiness Officer)になるべく、CHOスクールにも通い、来月卒業予定です。CHOがいる会社は、きっとマインドフルになると信じています。

また、仕事以外でも、自分のプロジェクトマネジメントスキルを利用した、社会人ボランティア活動プロボノにも取り組み、障がいをもつのこども達の支援のために活動しています。このように、マインドフルネスとの出会いから、私の活動の範囲は大きく広がっています。

 自身のパーパス、『感謝と成長に満ちたつながりをつくることを通してハッピーで幸福な世界を実現する』のために、これからも日常としてのマインドフルネスのトレーニングをベースとして、活動していきたいです。私のこのnoteの記事がみなさんのマインドフルネスを始めるきっかけや企業や団体の中に広めるヒントになれば幸いです。

 最後まで、読んでいただいてありがとうございました。

さぁ、あなたも深呼吸してみましょう。
すこーし、リラックスできたと思います。
マインドフルにハッピー🍀な一日をお過ごしください。

■プロフィール

画像8

村社 智宏(むらこそ ともひろ)
 パナソニックのマインドフルネス サークル 「P-Pause」の発起人
 プラズマや液晶ディスプレイの技術者を経て、経営企画、事業企画へ。自身のパーパス存在意義として、『感謝と成長に満ちたつながりをつくることを通してハッピーで幸福な世界を実現する』事業会社インダストリー社の中で、企業の風土改革MAKE HAPPYプロジェクトのリーダー。昨年、年間50企画6千人集客、事業企画のプロジェクトリーダーとしても活躍中。
マインドフルネス5年、社内コーチング歴4年。コーチング副業中&プロボノ実施中、趣味一眼レフ撮影。

■お知らせ

●社外発表・取材・受賞事例
・2017年12月 グッドデザイン2017 特別賞 未来づくり受賞
 『Panasonic車載向け高精細ディスプレイミラーレスシステム』
・2018年8月 MiLi主催 2018年企業シンポジウム講演記事
 『自身の取り組みを社内に広げるには? 組織はどう変わったか?』   
・2021年3月 京大テックフォーラム講演発表
 『マインドフルネスを企業に広めるために必要なこと』
・2021年9月17日 読売テレビ取材放送 関西情報番組ten.特集 からくり
 『心を整えれば健康維持&仕事効率UP!大企業も注目「瞑想のススメ」』
・2021年12月2日 関西テレビ取材放送 報道ランナー 特集 よのなかラボ
 『ストレス社会に心の健康を ウェルビーイングとは』

●SNSはこちらです
 Twitter   毎日1回つぶやきます
 Facebook 近況などはこちら
 note まとまった書き物はこちら
 instagram たまに花の写真を上げます
 Lindin  こちらもあります

画像5

■おわりに

トレーニングの休憩室の空気の浄化のために置いた、植物。「ドラセナ・サンダリアーナ」花言葉は幸福、長寿。

最初は一本の木から枝分けして、P-Pauseの活動のメンバーと同じように、だんだん多くなりました。

画像6
もくじ