マインドフル・ライフスタイルメディア「Mindful.jp」
あなたのPresent -荻野淳也-
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あなたのPresent -荻野淳也-

マインドフル・ライフスタイルメディア「Mindful.jp」

この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
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こんにちは、荻野淳也と申します。
組織におけるリーダーの育成や組織づくり、企業経営の支援を20年以上行っています。

「風の時代」を牽引する水瓶座、バツイチ、娘一人の兼業主夫として、毎日を楽しんでいます。

さて、今回お伝えしたいのは、「いまここ」のお話。
毎日、同じようで、決して同じではない「いまここ」の瞬間があります。

朝から夜まで、「いまここ」の積み重なりで僕たちの人生が創造されています。「いまここ」の自分の注意を何を捉え、どのような反応をしているか、その連続があなたの人生を創っているのです。

例えば、僕にとっては、このような1日です。

朝の始まり、朝の坐る時間

早朝、静かな時間に目が覚める。
まだ、暁の空の前、ひっそりと凪の海みたいな静けさが漂っている。
起きてすぐ、顔を洗い、歯を磨く。
水の冷たさ、歯磨き粉の香りをただ味わう。
皮膚が冷え、爽やかな香りを嗅ぎ、頭のなかの霧が晴れ、視界が晴れてくるような感覚。

2020年の3月よりはじめている朝の坐る場。
6時開始の15分前、画面を開くがまだ誰も参加していない。
まだ誰も入っていない場でも、空気を調える意図を持って、目を瞑る。
疑似的な空間でも、早朝の神社の空気感を想像して、自分の呼吸を調えていく。

目をうっすら開けると、画面上に、今日一番早く入室の仲間が現れる。
心の中で、「おはようございます。今日もありがとうございます。」と挨拶する。そして、またひとり、またひとりと、この疑似的な空間に入室してくる。

開始までに、そのひとりひとりに、「おはよう」「ありがとう」と想いを心のなかで送り届ける。

毎朝の坐る場の「いまここ」の時間と空間。
「いま」の時間は共にしつつ、でも「ここ」は本物のここではなく、疑似的な空間だ。

でも、どうだろう。

目を瞑って、毎日多くの仲間と朝の静かな神聖な時間と感覚をともにしていると、身体が存在している場所は、日本、世界とバラバラながら、でも、確実に同じ空間、場を共有していると感じる。

僕たちは、自分の内側に在る静けさと深くつながることで、感覚を共にしている仲間と距離を超えても場を共有できるのかもしれない。

朝食の支度

朝の坐る時間が終わると、さらに目と頭が冴えている感覚に気づく。

このあとの一時間半が、僕にとっては、1日のなかでも、最も貴重な時間帯の一つ。朝食と娘のお弁当をつくり、娘を学校に送り出すことだ。

毎朝のこの習慣も四年近く経つと、その精度が上がっていることを自ずと感じる。

少なくとも3、4品の料理の段取りが瞬間的に思い浮かび、その段取り通りに身体が勝手に動いていく感覚。

注意散漫の自動操縦状態ではなく、いまここの意図に沿って、気づきながらも、身体と心と頭が連動して動いていく。

米を研ぐ手の一瞬一瞬の動き。

目分量ながら、その日の気温や湿度を感じて、今日の米にあった土鍋に注ぐ水の量を決める。

土鍋から立ち上がる炊飯の湯気の勢いを観て、米が炊かれていく香りを嗅ぎわけ、火を止める瞬間を見定める。

野菜に包丁を入れていく場所を確認して、その野菜にあった力加減で包丁を引いていく。

魚の1番の焼き上がりの瞬間を見逃さないようにしっかりと火の通り具合に注意を注ぐ、などなど。

五感を使って、献立を仕上げていくことで、感性が磨かれていく。

「おはよう」の挨拶

頃合いをみて、娘を起こしにいく。

大体は、一度目で起きずに、二度目、三度目で起きてくる。ここまでは丁寧に優しい声で、声をかける。

三度目で起きなかった時は、自分自身の選択を求められる。
「昨夜に”明日の朝、起きれなくなるよ”」と伝えていたにも関わらず、「やはり予想通り起きれないじゃないか!」と非難の声とそれに連動する怒りの感情が一瞬湧いてくるからだ。

でも、その自分が繰り返している”感情の型”にも十分気づいている。

大切なのは、貴重な朝の時間を家族とどう過ごしたいか、そして、どのように一日を過ごしたいか、という意図だ。

感情的になるその型にハマって気分を害する、「いまここ」の意図に気づき、その意図に沿った選択をするのか。

四度目、五度目の声かけが必要であれば、少し体調が悪いのかどうか、確認しながら、起きる時間だということを優しく伝えていく。

大概は、その声かけで起きてくるが、それでも起きてこないということは、彼女の心か身体か、その両方が不調ということだろう。その時は、「遅刻をさせないように送り出す」という意図を手放し、寄り添うことを心がける。

目を擦りながら、起きてきたら、娘の表情に注意を注ぎ、「おはよう」と挨拶する。

ゆっくりと食事を食べることを好む娘の習慣を考慮して、少し余裕を持って、起こしている。朝の会話を楽しみながら、一緒に朝食と豊かな時間を味わう。ゆっくりと食事をするので、登校時間ギリギリになって、着替え、出発する。

ここから1、2分、自分の「いまここ」への解像度をあげる。

「行ってきます」「行ってらっしゃい」の挨拶を交わすところから、娘が出て行き、ドアが閉まる瞬間までをしっかりとその光景を記憶する。

もしかしたら、お互いどちらかが不慮の事故や災害などで二度と会えないかもしれないからだ。毎日そのような想像することはもうほとんどないが、そのような想像が今の一瞬の解像度をあげるきっかけともなる。

そして、すぐに、夕方に彼女が元気で帰ってくる様子を思い浮かべ、またの再会の希望を味わう。そして、すぐにその希望の感覚も手放していく。

仲間との打合せ

午前は、朝から仕事仲間との打合せの連続であることも多い。

打合せの数分前、ほんの一呼吸でも、三呼吸でも、可能であれば、1分間、身体の力がほどけていくことを感じながら、呼吸に浸る。

画面上に仕事仲間が集まったら、仲間とともに、1〜3分ほどの瞑想の時間を持つ。先ほど調えた自分の感覚を、さらに仲間とも共有する。仲間の呼吸の間隔や深さを彼らの表情や肩周辺の微かな動きを確認して、彼らの呼吸の間隔や深さに自分の呼吸も同調させていくようにする。まさに「息を合わせる」意図を持って、ともに瞑想をする。

そのあと、一人1、2分で、この1週間の出来事や自分の気持ちやいま気になっていることなどを共有する時間も持つ。

自分自身も力を抜きながら、でも、話す相手の表情や雰囲気などにもしっかりと注意を注ぐ。家族、趣味、気になるニュースや話題や自身の気づきをそれぞれ共有していく。話を聴きながら、最近の相手の生活の様子や頭、心で立ち現れたことを理解していく。彼女、彼の味わった感動などにいつの間にか、共感して、心が温かくなっていることに気づく。

自分も自分の味わった感動やまた少しの苦しさや悩みなども共有する。安心安全な場を感じながら、なるべくあるがままの状態を伝えていく。話しながら、ただ聴いてもらえていることへの有難さがふっと湧いてくる。

議案にそって効率的に進める会議を目指すのであれば、無駄と思えるかもしれない打合せ前の瞑想や話題の共有。でも僕たちはもう数字だけで計れる生産性だけを追いかける時代は終わったことをしっかりと理解すべきだ。

特に外部環境がものすごい速度で変化している現代では、目の前の瑣末や目標に囚われすぎて視野を狭くしているのではなく、常に余白を持って、周囲を感じ、変化に対応して素早く動ける状態を保ち続けることの重要性が増している。

そして、誰とこの場に居るのか、誰と自分たちが目指す姿を実現したいのか、その仲間たちとどのようにつながっていたいのか、がより重要な時代だ。

自分を調え、仲間とつながり、ともに仕事や人生へのやりがいや豊かさを高めていく。日々の中で、仲間と自分の気づきや感動を共有できることは、人生の豊かさの一つに違いない。

顧客組織での研修や打合せ

午後は、顧客である企業や組織との打合せや研修を行う。打合せでも研修などの業務でも、当然その目的、目標を実現することを意図するが、それ以上に常に心掛けていることがある。

それは、その場に参加している人たちが安心安全な場を感じること。

結局のところ、世界中の人々全員が自分で自分の安心安全な場を創り出すことができ、また、その人がその周囲の人々にも安心安全を感じてもらえる場づくりができれば、世界は平和になるはずなのだ。

参加者が2、3人だろうが、200人、500人だろうが、なるべく全員の表情や醸し出す雰囲気に気づきを向ける。彼らの状態を把握して、内容に入っていく。

自分で自分の安心安全な場を創り出すためにも、「いまここ」に注意を向け、自分自身の状態に気づき続ける技術を得てもらうことが必要だ。

自分の身体の状態、感情、気持ちがどうであるか、いまどのような意図を持って、その場にいるのか。そこに気づいていくために、多くの研修で瞑想を体験してもらう。瞑想は、自分を知り、自分とつながる技術だからだ。

いま教えている大学院MBAの授業で、企業の管理職でもある院生から、このような感想をもらった。

「瞑想とリーダーシップがなぜつながってくるのか、初めは全くわからず、もやもやしていました。ただ、毎回の授業を通して、普段の自分の業務での気づきや意思決定が変わってきています。ようやく、先生の伝えようとしていることが理解できてきました。」

安心安全な場とは、自分と仲間が自分らしく存在できる場である。

自分を知り、自分を整えることで、自分らしさを体現する人が増えれば、きっと世界は平和になる。そんな世界を実現するために、いま伝えるべきことを伝えていく。

「おかえり」の挨拶

娘の塾がある日は、彼女の帰りが夜になる。最寄り駅まで迎えにいく。

待ち合わせの交差点の反対側で、父を見つけた娘の姿を発見する。信号が変わり、幼い頃と同じように走って、駆け寄ってくる。

「おかえり」「ただいま」の挨拶を交わす。

家までの道すがら、手をつなぎながら、学校での出来事や塾の講義などについて、話しながら帰る。

これまで何度も、何度もつないできたこの手。
そして、毎回、毎回、いつまで手をつないでくれるのだろう、と思う。

同級生は、そろそろ人前で手をつなぎたがらない年齢にもなっている。
手をつなぐのは、あと何十回か、限りある回数なのかもしれない。

この数年で手も大きくなったが、柔らかな肌の感触や子供らしい温かさは変わらない。

手をつないで帰宅するこの貴重な時間が何度でも永遠に訪れてほしいと思う。でも、そう思うと同時に、自分の執着にも気づいていく。

「いまここ」の瞬間、この感覚はいまだけ。
それをしっかりと味わって、手放していく。

また手をつなぐ機会が訪れたならば、その「いまここ」を神様からのプレゼントとして、大切に味わおう。

あなたのPresent

僕たちはこれまでたくさんのプレゼントをもらってきたことでしょう。

クリスマス、誕生日、入学や卒業のお祝い、大切な日の記念日など。

大切な日に大切な人にプレゼントをもらうことで、たくさんの喜びやうれしさや感謝を味わってきたことでしょう。

また、自分が大切な人にプレゼントを送ることでも、じんわりと心が温かくなる、そんな経験もたくさんしてきたことでしょう。

でも、あなたが大切な記念日を待って、大切な人とプレゼントを送り合わなくても、あなたへのプレゼントは、常に存在しています。

あなたを豊かにしてくれる最高のプレゼント、それは、あなたの「いまここ」の瞬間=Present であり、そのことに気づく力ではないでしょうか。


いまに気づくだけで、その時間が豊かな時間へと変化を遂げます。

僕にとってのそれは、朝の仲間との坐る時間、集中してつくる朝食の調理の時間、仕事仲間との場、大切なことを伝えていく顧客との場、そして、娘と手をつないでいる時間であり、それ以外のかけがいのない「いまここ」も毎日、楽しんでいます。

いつも同じでない朝の様子

誰かと交わす朝の挨拶

食材の感触や料理の彩りや香り

家族や大切な人の存在と笑顔

仲間と息と想いを合わせ時間

新たに出会う人、再会する友人の表情

ふと出会う木々や草花

変化に飛んだ空色

心地よい風

誰かと交わす夕方や夜の挨拶

など

毎日毎日繰り返される日常の光景を僕たちはつい「いつもの当たり前」と認識してしまいがちです。

でも、僕たちには、日常を非日常に変えていくことができる気づきの力があります。

あなたのPresent(現在=いまここ)は、常に存在していて、あるがままその瞬間に気づくだけで、豊かな贈り物として立ち上がってきます。

そして、Presentに気づく力は、僕たちの誰しもに内在していて、ほんの少し立ち止まって、それを発揮しようとすればいいだけ。

一瞬一瞬のいまに気づく解像度を高めることだけで、いま自分自身の豊かさと出会える。

今日もまた、あなたの大切な「いまここ」のPresentに気づけますように。

荻野淳也

■プロフィール

荻野淳也(おぎのじゅんや)
気づきの力を届ける人

日本企業350社以上へのマインドフルネスベースのリーダーシッププログラム導入、デジタル時代の叡智を探究するWisdom2.0Japanの主催、福岡市との提携事業「いまここ・ふくおかプロジェクト」の推進や大学院での授業などを通じて、マインドフルネスやコンパッションに基づく社会基盤の実装と世界の変容を目指している。
GoogleのマインドフルネスメソッドSEARCH INSIDE YOURSELF認定講師、スタンフォード大学で生まれたコンパッショントレーニング:C C T(Compassion Cultivate Training)Teacher Training修了。
外資系コンサルティング会社勤務後、大手ヨガスタジオ取締役、オーガニックフードスタートアップ等を経て現職。

多摩大学大学院MBA客員教授
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科2021年度特任教員
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事
株式会社ライフスタイルプロデュース代表取締役
合同会社Wisdom2.0Japan代表社員

■お知らせ

*Search Inside Yourself 2022年2〜3月期募集中

*朝のマインドフルネス:毎朝6:00〜6:30で開催

*3時のマインドフルネス:平日15:00〜15:15で開催


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