マインドフルネス鼻呼吸瞑想のススメと方法

これまで、マインドフルネスって何?なぜ良いの?どうやったらマインドフルネスになれるの?をみてきました。
「マインドフルネスって瞑想することだけじゃないんだー!」とお分かりいただけたでしょう。

と、同時に「じゃあなんでマインドフルネスやっている人って瞑想してるの?」という疑問も湧いてきたかもしれません。

今回は、マインドフルネス瞑想の基本と言われ、私自身も継続的な実践をオススメしている「マインドフルネス鼻呼吸瞑想」についてみていきましょう。

もくじ

鼻呼吸は「意識」と「無意識」の架け橋になる

前回は、日常でも五感に意識を向ければすぐにマインドフルネスになれる、というお話をしました。でも、あえて時間をとって鼻呼吸の瞑想をすることをオススメしているのは理由があります。それは鼻呼吸の瞑想がマインドフルネスを鍛えるのに効率的だからです。

では、心臓を3秒止めてもらえますか?

・・・と言ってもなかなか、意識して止めることは難しいですよね。

では、呼吸を3秒止めてもらえますか?

というと、今度は止められましたね。でも、「息を止めて」と言われるまでは、これを読みながら意識して「吸って、吐いて」をやっていた、という方は少ないでしょう。

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つまり鼻呼吸は生命維持に必要でありながら、無意識的にも意識的にもできる、なかなか珍しい活動なのです。だから無意識と意識の架け橋になって、脳を鍛えやすい、ということなのです。

まずは姿勢を整える

「マインドフルネス=リラックス」と思われている方もいますが、マインドフルネス鼻呼吸瞑想では、緊張とリラックスのバランスの取れた状態を目指します。ですから、完全にだらっとするのはNGです。
富士山のように凛とした佇まいをイメージします。

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姿勢の整え方
1.椅子に浅く腰掛ける。
2.足を肩幅に開き足裏で床をしっかりと捉える。
3.背筋を伸ばし、天高くから引っ張られているように首も長く。軽く顎をひく。
4.手は太ももの上に下向きでも上向きでも、自分の落ち着く方をチョイス。
5.目は軽くつむるか、薄目にして1メートル先下方をぼんやりと眺める。

普段あぐらで座る習慣が無い方は無理をせず、椅子に座りましょう。眠気が襲いそうな方は、目を完全につむらず薄目にすることをオススメします。いずれも、ここでは「修行」が目的ではなく、「マインドフルネス瞑想」が目的だからです。

集中する対象を一つ見つける

姿勢が整ったら、徐々に意識を自分の呼吸に向けていきます。マインドフルネス瞑想は、呼吸法ではありません。呼吸について評価判断を加えず、今の自分の呼吸を観察します。
そして、集中する対象を一つ見つけます。

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冷たく入ってきて少し湿って温まって出ていく空気の温度、
鼻腔の奥に空気が当たる感覚、
胸やお腹の膨らみ縮み、
呼吸で発生する音・・・
など何か一つ集中する対象を見つけます。

マインドフルネス瞑想のプロセス

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集中する対象が見つかったらその対象に5分なり10分なり時間を決めて集中し続けます。
しかし、最初は呼吸に意識を向けていたはずが、いつの間にか意識がそれて別のことに気を取られてしまうでしょう。これが「雑念」です。
その雑念に、気づいて、鼻呼吸に意識を戻します。
この「集中」「雑念」「気付く」「戻す」のプロセスを繰り返すのがマインドフルネス瞑想です。

マインドフルネスの研修で初めて瞑想をした方に「雑念が出てきて全然うまくできませんでした」と言われることがありますが、雑念がでることは全く問題ありません。むしろ修行を長く積んだ瞑想熟練者でも、全く雑念の無い瞑想をすることは難しいと言われます。
大切なのは「はっ。今は瞑想中なのに鼻呼吸から意識がそれていたな」と「気付いて」、「鼻呼吸に集中だ」と「戻す」ことです。

この「気付く」ことをメタ認知と呼びます。
メタ認知とは、自分の意識を客観的に観ている状態、自分の意識に気づいている状態、です。
このメタ認知を経て、鼻呼吸に戻るプロセスでマインドフルネス力が鍛えられます。

雑念が湧いてしまった時、いかに諦めずに戻すか、が大切になってくるわけですね。
まずは3分や5分の短い時間からでもOKです。

マインドフルネス瞑想のプロセスを意識して鼻呼吸瞑想に取り組んでみましょう。

イラスト * オクヤマナミ(Twitter:@nami_okym)
一言コメント:「トップ画像は、私のマインドフルネスの先生であるアヤパン編集長を描きました。今は鼻呼吸の瞑想をすると落ち着きます。」

文 * 松元絢
(Mindful.jp 編集長 、Twitter:@Ayapann88、note:ayapann)
一言コメント:「忙しい時こそ、サウナやマッサージなど強制的に『感じる』時間をとって、マインドフルネスになっています。」

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