手で触れる、私のマインドフルネス‐清水千夏‐

この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
その他のマインドフルネス・アドベントカレンダーの記事はこちら

こんにちは、Mindful.jp編集部の千夏です。
Mindful.jpに関わるようになり、約1年。マインドフルネスを意識して日常を過ごすようになりました。そうすると今まで気が付かずに通り過ぎていた景色に出会えているような気がします。
中でも、「手で触れる」ことを意識したら、今までにない感動があったよ!ということを書こうと思います。

もくじ

五感を使うことはマインドフルネスの入り口

Mindful.jpのこちらの記事でもご紹介しているように、五感を使うことで意識を「今ここ」に向けることができます。なぜかと言うと、感覚に意識を向けると、思考が働かなくなるからです。マインドフルネスと言われると難しく感じた初心者の私にも、「五感に意識を向ける」は取り入れやすいことでした。

意識して触れてみたら自分の身体に感動した

画像2

五感の中でも、触覚にフォーカスしてみると、いつもは何気なく触っているコップの質感や布団のフワフワ、肌の柔らかさ・・etcが、よりはっきりと感じられて対象物の解像度が上がり、愛着が増しました。
そしてさらに、手とつながる身体、身体を使った動作自体も解像度が上がって見えるようになりました。

例えば、「ドアを開けて部屋を出て、ドアを閉める」とき。日常では特に意識しない一場面ですが、実はこんな動作から成り立つのです。

・ドアノブに手をかける
・ドアノブを回す
・ドアノブを回したまま、ドアを向こう側に押す
・ドアを通り抜ける
・通り抜けた側のドアノブに手をかける
・ドアを押す
・ドアを閉める
・ドアノブから手を離す

「ドアを開けて閉める」そんな動作1つも、細分化するとこんな工程に分かれている。その場面に適した手の動き、形、動作を無意識に出来ているってなんだかすごくないですか?
触れる感覚を研ぎ澄ませて、一つ一つの動作を丁寧に感じると、感覚を伝えてくれる手に愛情がわき、身体とその持ち主の自分にも感謝の気持ちが溢れる。私にとって、初めての経験でした。

私の仕事と触れること

私は、看護師として働いています。人の身体に触れることが他の人より多い仕事。仕事中はぐるぐると頭を回転させているので、マインドフルネスでいられるときばかりではないですが、患者さんの体に触るときは意識をして触れる、それだけで相手に対する敬意がより湧いていてくるように感じます。

自分の手が好き

触覚に意識を向けると、手がたくさんのことを伝えてくれるのが嬉しくて、自分の手が今までよりもっと好きになりました。
最初に、自分の手を好きだと思うきっかけをくれたのは、私の祖父でした。私の手を見るといつも「指が長くてきれいな手」と褒めてくれました。
そんな祖父が先日他界。悲しみはつきないけれど、祖父にしっかりと触れて、亡くなった人の冷たさを感じながら「ありがとう」を伝えました。私にとってのマインドフルネスの最初の小さな小さなきっかけは、もしかしたら祖父が私の手を褒めてくれたことだったのかもしれません。

画像1
▲祖父と私の手。祖父の大きな手も好きでした。

これからも

日々、当たり前のように見ている景色、聞こえている音、香りや味、そして触れて感じること。1日のうちのどこかで意識して五感を研ぎ澄ませてみる。そんなふうに、もっとマインドフルネスを日常に、を体現していきたいです。

■プロフィール

画像

清水千夏(しみずちなつ)
訪問看護師
「なんとなくオシャレそうだから」という理由でマインドフルネスに興味を持つ。Mindful.jp編集部のメンバーになり、マインドフルネスはおしゃれでも魔法でもなんでもなく、「今を感じること」、特別なものではないと実感中。
いつもと同じ日常に潜む、小さな変化を捉えるのが得意。猫と青い空が好き。

もくじ