ネイチャーポジティブな島暮らしと子育て.沖永良部島.jp -竿 智之-

この記事は、12/1〜25まで、毎日1人ずつマインドフルネスを実践している方が「私の日常にあるマインドフルネス」をテーマにリレー形式で綴る、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021の記事です。
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もくじ

毎朝のルーティーン

寝ている時のまぶたみたいにピッタリくっついている水平線が、少しずつ目をさますと、光と共に温もりと色彩がこちら側に押し寄せてくる。

潮騒とヤドカリの足音と子供達の笑い声のBGMは、優しい風のようにいつも心地よいし、今日の海は私の心のようにとても穏やかだ。

ゆっくり浜辺に腰を下ろし姿勢を整えたら、目を凝らして「マイクロプラスチック拾い」の始まる。

ピンセットの先に意識を集中させながら、砂に混ざった無数のマイクロプラスチックを一粒一粒拾い集める。そうすると、自然と心とセロトニンも満たされ整っている。

ネイチャーポジティブへの毎日のルーティーン。

ゴミを無くす活動から、海の生き物を守る活動へ

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ここは隆起珊瑚が美しい「うじじ浜」。

沖永良部島でも大人気の観光スポット。この場所で、私達家族は約5年間ほぼ毎日(雨、寝坊、用事の日以外)浜辺の漂着ゴミを拾っています。

ゴミ拾いを始めたキッカケは、娘が2017年の夏休み作文コンクール「環境問題」を考えるため。

当時のうじじ浜は、毎日大量に流れ着く「漂着ゴミ」で浜辺は厚く埋め尽くされていて、ヤドカリ達はボロボロになった容器の蓋を背負っていました。

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大人の「価値観やものさし」は出来る限り伝えない

活動方針は、子供達(三姉妹+末っ子長男)が自主的に話し合いながら、なんでも決めています。

ゴミの処理費用やゴミ袋代も子供達がお小遣いから捻出しています。「大人に頼らず自分達でどこまで出来るかチャレンジしたい。」と言う理由から。

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親としても出来るだけ「大人の価値観やものさし」を伝えないように気をつけながら、活動を見守っています。

浜辺のゴミを拾うときは、足元のヤドカリやカニの巣を踏まないこと

活動を始めた頃は「ゴミを無くすこと」が目的でした。しかし今は「海の命を守ること」が目的に変わりました。生き物の生活の場である浜辺のゴミを拾うときは、足元のヤドカリやカニの巣穴を踏まないことが1番大切なルールです。

世界では年間3億5900万トンものプラスチックがつくられ、800万トンのプラスチックゴミが海に流れ出し、日本からも2~4万トンも流れ出しているのだとか。
これらのプラスチックゴミをエサと間違えて食べ、沢山の生き物達が命を落としています。実際に私達の住む沖永良部島でも、プラスチックを食べて死んでしまった海亀が発見されるほど身近な問題です。

ゴミを拾っていて気づいたことは、日本語のゴミは少なく外国語の文字のゴミがほとんど。

夏休みの自由研究で、ゴミについているバーコードを調査分析した結果、「黒潮」に乗ってアジアの様々な国からこの島に流れ着くことが判りました。季節によって海流が変わり、流れ着く場所も移り変わっていることも、毎日継続していくうちに解ってきました。

漂着ゴミと海の現状をリアル共有するツール

私達は、プラスチックが悪者だと思いたくありません。

離島に住む私達は、軽くて丈夫で衛生的などの様プラスチックの恩恵を受けながら暮らしています。プラスチックが無ければ生きていけないと言っても過言ではないでしょう。だから、漂着しているプラスチックを「もう一度、役に立つものに生まれ変わらせたい」と思い、集めたマイクロプラスチックを瓶に詰め、教材をつくりました。
「海の豊かさを守るマイクロプラスチック・キット」です。島内外からの注文もあり、とても嬉しく思っています。

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ネイチャーポジティブと心の豊かさ

今、世界では人の暮らし方が起因する自然災害も急激に増加しています。
予想も出来ないような事が次々起こり、心を豊かに保ち辛くなる日も増えてくることでしょう。

「心を豊かに保つ方法、何かないかなぁ」「マインドフルネス、なんか気になるなぁ」「宗教的要素がない方が良いなぁ」とか、ぼんやり考えていたときに、あやぱんから、マインドフルネス・アドベントカレンダー2021のお誘いがあり、「お!ラッキー」と、快諾。笑

この機会に、「マインドフルネス」の事を皆様から学ばせて頂けたら嬉しいです。

■プロフィール

竿 智之(さお ともゆき)
1978年生まれ。一男三女の父。うじじきれい団、運転手兼目覚まし係兼保護者。一般社団法人UP HOME WORKs代表理事。酔庵塾事務局長。美容室PEACE CUTSオーナー。2019よりFSR(Family Social Responsibility)を提唱し、家族理念に掲げる。海洋漂着ゴミ問題を、海の生物目線で捉える子供達のストレートな想いを、毎日せっせと拾い集めるのが日課。

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■お知らせ

Instagram @saographer

▼うじじきれい団登壇イベント
12/9(木)14:30~15:00
「沖永良部に学ぶ心豊かデザイン-世界の海は一つ-」

うじじきれい団 竿(さお)家

SuMPO第4回心豊かな未来ビジネスシンポ|一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO :さんぽ)sumpo.or.jp

▼うじじきれい団登場記事・メディア

みんなでつくろう!地球の未来ストーリー | 中京テレビ「コロナ禍」が生んだ新たな環境問題、そして「コロナ後」の世界が抱える懸念、まさに今は地球の未来を考える再スタート地点。www.ctv.co.jp

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