自分とのつながりを取り戻す旅 〜ずっと”なりたい自分”を追いかけていた私が”ありたい自分”を生きられるようになったマインドフルネスジャーニー〜-小川 麻奈-

Mindful.jpの読者のみなさん、はじめまして。株式会社Mana&Co.代表/ゴングメディテーション・ガイドの小川麻奈です。マインドフルネスがもっと日常に、そしてあたりまえのことになっていくことを目指してスタートした”Mindful.jp”。このメディアオープニングを記念した「マインドフルネス・アドベントカレンダー2020」の企画は、日本のマインドフルネス関連の分野でご活躍されている方々が多数寄稿されていますが、そんな錚々たるメンバーの中に混ざって寄稿させていただく機会をいただき、大変ありがたく光栄に思っています。

もくじ

はじめに

私にとってマインドフルネスは『自分とのつながりを取り戻し、人生を味わい尽くすためのツール』。
今でこそこうした分野に関わることを仕事にしていますが、私自身もともとこの”マインドフルネス”という言葉にピンときていたわけでもなく、また、いつも常に何か次のことを考えている、いつも次の”なりたい自分”を追いかけつづけている、そんないつも”いまここ”に意識がない、言ってみれば『”マインドフルネス”とは真逆の生き方』をずっとしてきていました。

そんな私が現在この分野に関わるどんな仕事をしてるのか。”マインドフルネス”にたどり着いたきっかけとなった海外移住と人生に突如できた”余白”や『今この瞬間を深く味わうこと』に気が付いた原体験。そして、人生に大きなインパクトのあったゴングメディテーションでの体験とそれによる自身の変化について、徒然なるままにお話させていただきました。何かのご縁でこの記事で読んでくださった方が少しでも『自分とのつながりを取り戻し、人生を味わい尽くす』ための気づきやヒントを見つけるきっかけになれたら嬉しいなと思っています。

現在取り組んでいること

私が代表を務める株式会社Mana&Co.は「個と組織がWell-beingなあり方を取り戻し、それぞれの可能性を最大化していくこと」をミッションに、2019年2月7日に設立しました。大学卒業後、日本とシンガポールで主に人材業界に関わる仕事を12年ほど経験。大学在学中から自分が働くことを通じて実現したいと考えていたテーマ『人と組織の可能性を最大化させること』をベースに様々な人材関連分野のビジネスに携わってきましたが、よりホリスティックなアプローチで人と組織の可能性を支援したいと思ったこと、そして自身のこれまでの経験や持って生まれた個性をよりフルに使いながら生きていきたいと考えた結果、独立することを選びました。現在は、私自身が独立するにあたって大きなきっかけとなったゴングメディテーション(銅鑼の音を使った瞑想プログラム)を企業向け・個人の方向けにご提供すること、また働く人や企業組織がより本来のありたい状態になっていくための人材開発・組織開発・人事・採用周辺のサポートを主な事業内容としてお仕事させていただいています。

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(SaaS系データベース事業やNewsPicksなどのメディア事業等を手がける株式会社ユーザベース様でのセッションの様子ー2019年)

私にとってマインドフルネスの入り口は「人生の中の強制的な”余白”」だった

誰にとっても、特に女性にとっては、人生のひとつの節目として意識することが多い”30歳”というタイミング。
日本で生まれ育ち、物心つく前から割と頻繁に海外に行く機会はあったものの、生活のベースはあくまで日本であるという人生を歩んできましたが、私はこの30歳というタイミングで自分の人生の活動拠点を日本からシンガポールに移すという選択をしました。いつか海外に住んで働くということは、私の人生の中でもっとも経験したかったことのひとつ。当時の私もこの30歳という節目を意識して「そろそろ行かないともういけなくなるかもしれない、、」そんなことを感じつつ、仕事でもプライベートでもいろんな岐路や迷いがありながらも、自分の心の奥底にある願いと直感に従ってしたとても大きな決断でした。(当時何を考えていたのか、またなぜシンガポールだったのかなどはライフハッカーに寄稿させていだきました。ご興味のある方はこちらからどうぞ:「30年間日本で生まれ育った私が、シンガポールで今新たにチャレンジする理由」)

期限の決まっていない片道切符での海外移住。移住先はシンガポールなので、生活や仕事の物理的な環境はなんの不自由もなく、また日本よりも快適に過ごすことができる部分もあります。一方で、自分が生きていくコミュニティがゼロになる、ゼロベースから再構築することというのは、自分自身で想定していた以上の物理的、そして精神的なインパクトがありました。特に私の場合、自身の英語脳を強化するために仕事で必要な場面以外はしばらく日本語を使わない生活をしようと決めていました。そうなると比較的簡単にアプローチできるシンガポールの中の日本人や日本人コミュニティとはつながることができない。でも、現地のコミュニティやシンガポールにきている同世代の外国人がいるコミュニティとはどうやって接点を見つけたら良いのかわからない。そんな傍ら、日々何気なく見るSNSからは日本にいる友人たちが楽しそうに過ごしている様子、活躍しているニュースなどが飛び込んでくる。自分の心の声に従って選んだ道のはずだけど、今回の選択(シンガポールへの移住)は本当に正しかったのだろうか、、母国を離れ、新たな環境で期限を決めずに生活と仕事をはじめ、ある意味人生をつくりなおすことになった孤独と不安の中で、自然と足を運ぶようになったのがヨガや瞑想のクラスでした。

人は生まれてから両親や家族にはじまり、ご近所、幼稚園や保育園、学校、習い事や課外活動、勤務先などで自然と人と出会い、交流し、時間を共有しながら人生を過ごしていきます。自分が生まれ育った国で生活をしていると気がつかなかったことですが、異国の地でゼロから生活基盤を作り直すことを経験してはじめて、これまでどれだけそうした当たり前のようにあった自分を取り囲む人やコミュニティに物理的にも精神的にも支えられて生きてきたのかということを実感しました。そしてそれと同時に、どれだけ自分の外側のことに時間やエネルギーを使っていたか、ということにも気づかされました。例えば、飲み会やイベント、自分なりにしっかり選んで時間を使っているつもりでしたが、それでも付き合いや気を使って顔を出したりするものもゼロではありませんでした。

住む国を変えたことで、半ば強制的に人生の中で”余白”ができたこと。これが私にとってのマインドフルネスへの大きな入り口だったと、今となっては思います。今年2020年はこうした状況下で、国を移住せずとも、日本にいながらにして近しい体験や気づきを経験されている方も多いのではないでしょうか。

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(シンガポールでゴングメディテーションに通っていたスタジオ。新しい土地で自分の生きていくコミュニティをゼロからつくるという模索をする中で出逢った大切な親友たちとコミュニティ)

強制的にできた”余白”の中で思い出した”自分とつながる”ということ

”自分とつながる”というと、すごく抽象的、場合によってはちょっとスピリチュアルなイメージで、実際どういうことなのかよく掴めないという方もいらっしゃるかもしれません。”自分とつながる”ということを私なりの解釈で別の言葉で言い換えるとすれば、『自分の心や体が何を感じているかに意識的になること』だと思っています。

現在の社会や私たちが育ってきた教育環境では、何事にも正しさや正解、論理的な根拠が求められる傾向が強く、自分が感じたことをただ表現する・伝えるということが重要視されてきませんでした。その結果、私たちは自分が感じたことをただ表現する・伝えるということに慣れておらず、むしろそれをすることにすごく高い心理的ハードルを感じる人も少なくないはずです。私たちが感じることに共通の正解はありません。逆に言えば、それぞれが感じることすべてが正解です。

現代人(特に今の30代〜60代あたりの世代)はそうした自分の中の、論理的な根拠はそこまでないかもしれないけれど確かに感じる微細な心の機微や直感、そうした感覚に気がつくこと、そしてその感覚に基づいて自分自身の人生の選択や決断をしていくことに恐れや漠然とした不安を持っている人が多いように感じています。自分が感じたことをただ表現すること・伝えること、そして感じていることを自分の中での真実として採用して人生の選択をすることは、そうしたことの大切さを学校や社会で教えてもらっていない、慣れていない私たちが最初はできなくても当然です。

一方、VUCAの時代とも呼ばれ、世の中の変化のスピードが早く変動性が高い、先の予想ができない不確実性の高い時代の真っ只中にいる私たち。これまで重要視されてきた”正しさ”や社会の中のでみんなが目指す”共通の正解や”価値基準”とされることにはますます意味がなくなっていきます。そんな不確実性の高い世の中で唯一確かな羅針盤になってくれるのは、自分の中にある心のセンサー。自分の感性や直感といった内側に湧く感覚に冷静に気がつき、それを大切にできるかどうか。そんな心のセンサーは、”自分とつながる”時間を持つこと、つまり『自分の心や体が何を感じているかに意識を向ける』時間を少しずつ積み重ねていく中で育まれていきます。

日本での生活では気が付いたらスケジュールがいっぱいで、いつも先のことばかりを考え、打算的に逆算して行動を決め、何かを達成すればまた次、、というようなパターンを繰り返していた私。海外移住というライフイベントを通じて半ば強制的にできた”余白”の中で、導かれるように”自分とつながる時間”を持つようになり、自分が何を感じているかに意識を向けるようになりました。そしてそれが自分にとって欠かせないこと、当たり前のことになってくると、今度はその”感じたこと”をベースに何かを選択するということが少しずつできるようになっていきました。

今目の前にある日常は、いつかの自分が体験したかった人生

シンガポールを拠点に生活をしている間に、もうひとつの心の故郷のようになって足繁く通っていたバリ島。何度も足を運んで現地に友人も出来、だんだんと暮らしているように滞在できるようになっていたある時、自分の中に稲妻が走ったような衝撃を感じたことがありました。

シンガポールはもちろん日本でも乗ったことのなくバリで乗り方を覚えた原付バイクを走らせ(笑)バリの田園風景を横切りながら見たピンク色の夕焼け空。何気ない光景でしたが、それがとても美しくて、そして普段乗らないバイクに乗っているという自分に翼が生えたような自由な感覚もあいまって、ものすごくはっとしました。

「私は、今までの人生でこんな風に”今この瞬間”を心から感じて、味わったことがあっただろうか」

これが、その光景とともに自分の中に湧き上がってきた言葉でした。

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(バリ島で見ていたピンク色の夕焼け空)

将来良い学校や良い会社に入るために、遊ぶ時間を削って勉強する。将来の何かのために、何かを我慢して努力する。確かに自分の成長のために一定の規律や努力はとても大切だと思います。でも気がついたら、そうした規律や概念、場合によっては周りの目などにとらわれて、”今を生きること”を忘れていないでしょうか。常に”いつかの何か”のためだけに、今を過ごしていないでしょうか。今という時間は二度と戻ってこない時間。そして今目の前にある何気ない瞬間や日常は、いつかの自分が体験したかった時間のはず。それなのに、それを楽しみ味わうことを忘れて、また次の『ここではない何か』を求めたり、目指したりしていないでしょうか。

バリ島の何気ない風景からこの気づきを受け取った時の衝撃的な感覚は、いまでも身体が覚えています。そしてこの気づきから約1年後、仕事や生活の様々な状況が節目に入ったのも重なって、『いつか”なりたい自分”になるために今を活きるのではなく、今この瞬間から”ありたい自分”で生きていこう』と心に決め、もっと長く住む予定だったシンガポールを離れ、一旦日本に戻り、独立をするための具体的な準備に入ることになりました。

さいごに

今この瞬間を最大限に生きて、それをしっかり味わうこと。それこそマインドフルネスの醍醐味だと思いますが、言葉で言うほど簡単ではないと言うのも事実です。
私自身も日々生活をしている中で、仕事や目の前のことに振り回されたり、没頭しすぎたり、自分の思考に支配されそうになったりということは未だにあります。でもマインドフルネスとは何か、それはどういう状態か、またどうしたらそれが再現できるかを自分なりに理解して体得していることで、そんな状況になったとしても、またニュートラルな自分に比較的早く戻ってくることができます。

このマインドフルネス・アドベントカレンダーにも様々なマインドフルネスの実践方法が紹介されています。みなさんそれぞれがこのかけがえのない日常と人生を最大限に味わって生きていくためにも、気軽にできそうなもの、ピンときたものをぜひご自身の生活に取り入れて見てください。マインドフルネスの効果は即効性があるものもありますが、毎日短い時間でも一定期間積み重ねることで体験が深まることが多くあります。出来れば少しロングスパンで取り組んで頂くと、より効果や変化を実感しやすくなるかと思います。

そして手前味噌ではありますが、私が現在ご提供させていただいているゴングメディテーションもとてもおすすめです。ゴングメディテーションは、ゴング(銅鑼)の音で脳を深いリラクゼーションに導き、身体を粒子レベルで整えていくプログラム。ゴングが作り出す幅広い音域の音や倍音には、私たちの可聴域を超えるものも多く含まれ、場合のよってはそれが心の深い部分、潜在意識などにも働きかけると言われています。詳しいご説明はこちらをご参照ください。普段瞑想を習慣化されている方にはより深い瞑想体験をしやすく、また瞑想初心者の方にもゴングの音があることで瞑想状態に入りやすく、瞑想を体感として掴みやすいプログラムにもなっています。

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私自身はこのゴングメディテーションにをバリ島で初めて体験し、その後シンガポールでの生活の中でも自分の心身のリセットとリチャージに欠かせないルーティーンとなっていました。そして、ゴングメディテーションを通じた自分自身の内側の深い癒しと瞑想体験が、独立する大きなきっかけとなりました。これ以上は話が長くなり過ぎてしまうのでここには書きませんが、文字での説明以上にインパクトのある私のBefore Gong/ After Gongの写真とともにこの記事を締めくくらせていただきます。(笑)

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※(左:日本で30年間生まれ育ち、日本社会で期待されているように感じる生き方にどことなく違和感を感じながら、無意識にもそれに合わせないと生きていけない気がして頑張っていた頃、2014年の終わり頃の私 / 右:シンガポールに移住後約3年ほどが経過し、ゴングの音をを定期的に浴び続けて1年半ぐらい経過した2018年はじめ頃の私)


ご興味が湧いた方は、ぜひゴングメディテーションのセッションに足をお運びいただけましたら嬉しいです!

本当にいろんなことがあった2020年でしたが、そんな今年も残りわずか。今日まで頑張ってきた自分をぜひたくさん労い、励まし、癒しながら、2021年を清々しい気持ちで迎えられるようお過ごしください。
取り留めのない話になりましたが、このような話をシェアする機会を与えてくださったMindful.jpのスタッフのみなさん、改めましてありがとうございました!

■プロフィール

小川 麻奈
(アーティストネーム:Mana Ogawa)

株式会社Mana&Co. 代表取締役
ゴングメディテーション・ガイド

国際基督教大学卒業。2007年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。その後、エグゼクティブサーチやエキスパートネットワーク等、日本及びシンガポールで人材関連業界に約12年従事。人や組織の可能性をよりホリスティックなアプローチから支援したいとの想いから2019年2月に日本への帰国と同時に株式会社Mana&Co.を設立し、代表取締役に就任。日本初の「Gong Meditation(ゴングメディテーション)」を提供するパイオニアとして、マインドフルネス業界を盛り上げるイベントにも多数出演。法人向けセッションや個人向けグループセッションも定期開催し、参加動員数はのべ2000人を超える。詳細はこちらより。
Facebook: https://www.facebook.com/mana.ogawa.5477
Instagram: @mana.meets.world

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