こんにちは、Mindful.jp編集長のあやぱんです。
音声で聞きたい方はこちら(Voicy)
先日、Voicy生配信で、数々の著名人の本を編集してきた、ひのなおみさんにこう言われました。
「出会ってからずっと、メンタルが安定してるよね」と。
もちろん“もうやだー!”と思う日はあります。
でも、不安定か?と聞かれると、たしかにそうではない。
以前は「富士山のように揺るがない安定」を安定、と思っていました。
でも、生きていると色々あります。
全く揺れない、というのは不可能、というか、そんな人生はそれはそれで楽しくないのでは、と思います。
今の私は “免震構造” のような安定がしっくりきます。
揺れてもいい。
揺れを観察して、やがて自然に静けさへ戻っていく。
そのプロセスに安心がある。
この「揺れても戻れる」感覚は、実は心理学と神経科学で明確に説明されています。
ポリヴェーガル理論:安全の“予測可能性”が安定をつくる
スティーブン・ポージェス(Stephen Porges)のポリヴェーガル理論では、
「安全を予測できること」が情動安定の鍵だとされています。
(Porges, S. “The Polyvagal Theory: Neurophysiological Foundations of Emotions, Attachment, Communication, and Self-regulation”, 2011)
私たちの神経系は、
「危険 → 回復 → 安全への帰還」
というリズムを繰り返すことで整います。
つまり、揺れ(ストレス)をゼロにすることより、揺れた後に“戻れる”経験が多いほど心は安定する。
そして振り返ると、この“戻れる経験”を静かに育ててくれていたのが、
私にとっては 朝のルーティン でした。
立ちはだかる、「朝イチにやりたいこと、多すぎ問題」
朝活、という言葉があるぐらい、朝は自己実現や充実のためにとてもいい時間。
様々な「朝やるといいこと」が提唱されていますね。
私だと、瞑想、ジャーナリング、ヨガ、エクササイズ、白湯、ビジュアライゼーション…。
マインドフルネス界隈にいる私はこうですが、また違うフィールドにいる方だと、また違ったラインナップになるのかと思われます。
朝は、本人の意思さえあれば外的要因に邪魔されにくい時間帯。
それだけに、様々な分野の様々な人が自分のお勧めしたいことを必ずやってほしくて、「朝はこれやって!」というポジショントークになるのは致し方ないことですね。
そして、心からいい、やりたい、と思っていても、それを全部やろうとすると、どうしても時間オーバーになったり、逆にタスクをこなすだけになって味わえなかったり、ということが起こります。
どうしても、取捨選択する必要がある、ということです。
では、どうしたら、朝イチにやりたいことを気持ちよく実行できるのでしょうか?
それぞれの所要時間を一週間でスケジュールを組む、というのが現実的かとは思います。
必ず毎日やりたいこと、週数回でいいこと、時間を短くする、などして組み込む、とするとできないことはありません。
ただ、朝、私がそれらをやりたいのは「清々しい心の状態を作ること」。
スケジュール帳と時計と睨めっこして、進める、いわゆる左脳的な動きをすることに、違和感がありました。
解決策:科学的に正しい“迷わない朝”のつくり方(3ステップ)
そこで私が至った解決策は、至ってシンプルです。
朝いちばんに、身体に聞く。
「いま、何をしたい?」
そこで浮かんできたものをやる。
具体的にはこんな感じです。自分に定着してから、科学的にもあっているな、と答え合わせをしました。
STEP1:白湯を一口飲んで安全モードに切り替える
目が覚めたら、ポットに水を入れ、お湯を沸かします。
そのまま、洗面台にコンタクトを入れにいき、だんだんと目を覚まします。
そして、キッチンに戻り、白湯を飲む。
本当は、沸騰したお湯を冷ましたものが良いと言われますが、それだとこのタイミングに合わないので、浄水ポットの水と混ぜて飲める温度にして、一口一口味わいます。
寝ている間にみた夢や朝の寒さで少しこわばっているので、白湯に助けてもらって緊張をといて身体が心を開きやすくします。
(「身体が心を開く」という表現は聞きなれないと思いますが、感情は身体が感じている、と思うと、しっくりきませんか?)
ポリヴェーガル理論では、温かい飲み物は迷走神経を刺激し、身体を“安全モード”に導くとされています。
STEP2:身体に問いかける
「いま何をしたい?」
この問いは、内受容感覚(身体の中の感覚)を高め、最も必要な行動を浮かび上がらせます。
細かく言うと、自分が習慣にできていないことは、忘れがちなので、新しく習慣にしたいことなんかがある時は、手帳を開くなどして、ラインナップを思い浮かべて、一つ一つ身体に「これ?違う?これ?」と聴いていくといいと思います。
STEP3:浮かんだ“ひとつだけ”をやる
そして、浮かんだ一つだけをまずやる、と決めます。
そのあと何をするかは、一つが終わった後でOK。
なので、その時間に全て終わらないこともあると思います。それでもOKとします。
今の自分に必要なことをした、それが一番大切だと思うからです。
まとめ|完璧な朝のルーティンはいらない。必要なのは“戻れる朝”
実際、今の私がどうしているかというと、手帳を書いて、瞑想をして、そこから身体を動かす何かをする、ということが多いです。
でも、それも日によって・・・いや、身体によって変わります。
そもそも、子供の夜泣きで睡眠時間が足りていない、って日は睡眠を優先します。
今の私に必要なことをする。
朝のルーティンは量より質。
大切なのは──
- 身体に耳を澄ませること
- その日の自分に必要なひとつを選ぶこと
- 戻れる習慣をつくること
日々の小さな積み重ねが、あなたの“免震構造の心の安定”を静かに育てていきます。
今、あなたの身体は何をしたがっていますか?
その声をそっと拾うところから、1日を始めてみてください。




