2024年Mindfu.jpのアドベントカレンダーのテーマは「マインドフルネスの世界を広げる旅」。
マインドフルネスを知る・学ぶ・実践するために役立つ、書籍、セミナー、アプリ、場所などの著者や主催者が一日一名登場し、心と体を穏やかに整えるための情報をご紹介します!
先端テクノロジーと禅の精神性の調和的な融合(?)を目指し、2017年以来、北鎌倉・建長寺を舞台に毎年開催されている国際カンファレンス「Zen 2.0」。今回は代表の宍戸 幹央さんにこれまでの「Zen 2.0」を振り返り、ご解説いただきます。
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2017年より毎年鎌倉で開催される禅とマインドフルネスの国際カンファレンス「Zen2.0」とは?
気候変動などの環境問題が山積みとなり、世界情勢において分断が可視化され、AIなどのテクノロジーの進化が加速し今後の世界のあり方の予測不可能度合いが高まっている現在、経済や政治、企業の在り方だけでなく、多くの人々が働き方やライフスタイルの見直しが求められています。
今、自分自身の内面を整え、自然と繋がりを感じて、他者との調和的な豊かな関係性を育む事が、益々大事になっているのではないでしょうか?
Zen2.0とは、海と山に囲まれ、禅などの和の文化を歴史を重ねて鎌倉が、慈悲・慈愛に満ちた調和的な一つにモデル地域になればという思い込めて、「マインドフルシティ鎌倉」というコンセプトを掲げ、
鎌倉の禅寺を舞台に2017年より毎年秋に開催されてきた禅とマインドフルネスの国際カンファレンスとなります。
禅とマインドフルネスの叡智から個人一人一人の幸せと持続可能な世界が共に支え合う形で実現する社会の創造に向けて、国内外の禅やマインドフルネスの指導者、脳科学者などの科学者、企業経営者、様々な分野で活躍する専門家を毎年約20-30名ほどの登壇者としてお招き、対談や体験セッションによって、頭と身体で共に学び合う場として回を重ねてきました。
今回はそのZen2.0の取り組みをご紹介致します。
2024年のZen2.0のテーマは「大地に坐す」。これまでのZen2.0とその先に目指すものは?
Zen2.0が大切にしている3つの価値観として、「本来の自己に気づき」、「自然の摂理から学び」、「他者・社会と深く繋がる」ことを掲げています。
「サイエンスとスピリチュアリティ」、「思考性と身体性」、「個と全体」の融合からくる調和的な世界の実現に向けて活動しており、一人一人が自分自身の内面の世界を大切にし、心身を豊かに日々の中で整えていくことが個人の幸せだけでなく、家族、地域社会、会社組織、そして、国境やあらゆる属性を超え、人類全体が心豊かな慈悲慈愛に満ちた平和な地球、マインドフル・プラネットの創造に繋げていくをミッションにしております。
2017年からは3年間はリアルのみで開催し、コロナ禍となった2020年、2021年はオンラインのみで開催し、2022年からはハイブリッドで開催し、3年目となります。
ここでは、これまでのZen2.0をビジネスパーソン向けのセッションを中心に振り返りつつ、今後のZen2.0に対する思いを書かせて頂ければと思います。
2017年 記念すべき第一回。
テーマ「禅とマインドフルネス」
2017年に初めてZen2.0を開催した時の懐かしいダイジェスト映像はこちらになります。
この年は禅とマインドフルネスの重なりから新しい可能性を開くことがテーマでありましたが、企業社会に向けたメッセージの一つとして一人一人の感性が開かれることに繋がるセッションもありました。
その一つが今、リベラルアーツの分野でも注目されている山口周さんに登壇頂いたセッションです。
当時、その後ベストセラーとなった著書 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』の出版前に山口さんとご縁をいただき、本のコンセプトをお伺いしたところZen2.0のコンセプトと重なるという話になって登壇をご依頼し、出版直後にZen2.0に登壇して頂いたという背景がありました。
その時のセッションの事が下記サイトにて記事になっております。
◆山口周さんが語る、ビジネスにおける「アート」と「サイエンス」のリバランスとは?
禅やマインドフルネスが育むものとして、一人一人が持っているアート的な感性が開かれていくところがあるのではないでしょうか。
2018年 テーマ「感じる身体、実践する心」
2年目の2018年は「感じる身体、実践する心」をテーマに開催し、世界的なコンサルファーム「A.T.カーニー」日本法人会長で瞑想が日課だという梅澤高明さんと著書に「禅とハードル」がある元陸上選手の為末大さんが「ビジネス界・スポーツ界における禅・瞑想の可能性」をテーマに対談して頂いたセッションがありました。
その時の記事がこちらです。
◆ビジネスやスポーツで「禅」がなぜ役立つのか。「走る哲学者」為末大氏が実践した本番での「発揮率」を高めるイメージトレーニングとは?
分析的な論理的思考の専門家である梅澤さんが、仕事上で、俯瞰で物事を捉える力や直感力を鍛えるのに瞑想が寄与している可能性に言及し、為末さんが「確固たるデータがない前人未到の世界では、おそらく自分の中の直感や仮説が次の鍵になるんじゃないかということは感じています。」と言及されていた事がとっても印象的なセッションでした。
2019年 テーマ「つながり」
調和的なつながりに満ちた社会を創造していくにあったって、自然崇拝と和の叡智が育まれた日本の叡智とその中にあるマインドフルネスの要素が大きな可能性を持っているのでは、ということで日本のマインドフルネス研究の第一人者である早稲田大学 人間科学学術院教授の熊野宏昭先生と日本の霊性について研究の第一人者とも言える京都大学名誉教授、鎌田東二先生のお二人に「日本の叡智とマインドフルネス」というテーマで対談いただきました。
日本の古来からの叡智の可能性を感じるセッション。鎌田東二先生は俳句の文化にも言及し、
「俳諧の精神が、完全受動態に近い心だ。日本の、そして本来の「マインドフルネス」なのだ、ということを松尾芭蕉はその俳諧哲学を貫き示してくれました。こうして、日本人の身心変容技法は俳諧に極まったのです。この宇宙的で、言霊と感応するようなワザ、そういう俳諧の持つ奥深い精神性、霊性的基盤を我々は汲み取って、「今を生きる力」にしてゆきたいと私は期待し、また信じているのです。」
と述べられていた事がともて印象的でした。前編、後編に別れてのレポート記事を是非ご覧頂ければ幸いです。
「日本の叡智とマインドフルネス」
(熊野宏昭先生×鎌田東二先生)
前編 後編
そして、この年の最後のセッションは『、「つながり」への気づき〜世界と鎌倉の融合から生まれる新たな可能性とは〜』というテーマで鎌倉の松尾市長にも登壇いただきました。
鎌倉を拠点としたZen2.0の活動が世界の「つながり」を育む一助となればとの想いより一層感じららた3回目の様子はこちらよりご覧頂けると嬉しいです。
2020・2021年 オンライン開催、2022年・2023年はハイブリット開催で世界と繋がる
2020年、2021年はコロナ禍の中でリアル開催ができなくなり、オンライン開催となりましたが逆にそのお陰で世界とのつながりでき、2020年のテーマは「Mindful Planet」 、2021年のテーマは「A New Earth 〜空からの開花 Space to Flourish〜」と、よりグローバルな世界を感じるZen2.0 となりました。その流れで、2021年には、世界的な平和活動家のサティシュ・クマールサンとオンラインでZen2.0に毎年出て頂いている幸せ・ウェルビーイング研究の第一人者である、慶應義塾大学大学院教授の前野 隆司先生との対談が実現しました。
その時の様子の記事はこちらになります。
「内なるエコロジーの探究」
前野 隆司(慶應義塾大学大学院教授) サティシュ・クマール(平和活動家)
サティシュさんの「一人の行動が世界を変える」というメッセージに多くの方が心を打たれました。
2024年 テーマ 「大地に坐す」〜Touching The Earth〜
そして、2022年からはハイブリッドで開催させて頂き2022年のテーマは「Start from Inner Wisdom 〜The Stories of Interbeing すべての物語と共に生きる〜」、2023年は「Be LIKE WATER〜加速の時代に水のごとく在る〜」というテーマで、
世界が向き合わざるを得なくなった「戦争など対立や分断」や「AIの急激な進化」など時事的な問題に対して持つ「禅やマインドフルネス」の可能性を探求する会として実施をさせて頂きました。ハイブリット開催となって会を重ねた3年目の今年2024年は、「大地に坐す」〜Touching The Earth〜というテーマで「土」「身体」「菌」「環境」など、地球の大地と身体のつながりへの気づきを得られる幅広いテーマで開催しました。
今年、多くのビジネスパーソンに注目されたセッションは、世界にマインドフルネスが広がるきっかけの一つとなったGoogleにマインドフルネスを広げたチャディー・メン・タンさんとウェルビーイング経営をリードする日本を代表する経営者の1人、丸井グループのCEO青井浩社長さんとの「慈悲慈愛のリーダーシップ」というテーマでの対談です。
その時の様子がこちらに記事になっておりますが、企業内での慈悲慈愛のリーダーシップの在り方にも大変可能性を感じる時間となりました。
主催者としては嬉しいことに登壇者であった丸井グループCEO、青井さんがPodCast にてZen2.0のことを事後にポッドキャストで楽しかった様子を語って下さいました。ぜひこちらもご視聴頂ければと思います。
・前編
・ 後編
企業社会に禅・マインドフルネスが広がることが新しい調和的な社会の創造に大きな可能性を生み出すことを感じる対談セッションでもありました。
今回の記事では、企業関係者に関心がありそうなトピックを中心に取り上げさせて頂きましたが、今後、持続可能な世界の実現には、「産」「官」「学」「民」の連携が重要となります。これまでも、それぞれの分野に関わる多くの登壇者に登壇頂きましたが、今後はより一層、地域や国を超えて、日本の禅文化・マインドフルネスが広がっていくことにZen2.0が貢献できたらと思っています。
おすすめポイント!
日本以外にも海外からも参加者が加わり、世界に禅と禅文化を広げるグローバルな取組みとして、オンライン・オフラインで活動を広げてきたZen2.0。
これからも企業の方々や、教育分野の方々、地域社会、様々な分野の方々と地域を超えたグローバルな世界の人々に、日本の禅文化・マインドフルネスを広げてる活動を通して、世界の調和的な「つながり」に満ちた「マインドフル・プラネット」の実現に向けて、一歩一歩進んで参りたいと思います。
記事を読んで下さった皆さまとご縁に深く感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
参加者の声
夫も一緒に成長したくて、半分無理やり連れだしました。夫に「連れてきてくれてありがとう。」と涙目で言われました。そんな夫を見て、自分の穏やかな心を感じて、行ってよかったと心から思っています。来年もぜひ参加したいと思います。
事前に持っていたイメージを超える素晴らしい体験でした。心が洗われるようでした。日常生活にこの2日間を思い出そうと思います。
素晴らしく濃く深い時間の連続で、この体験が発酵し実践できるようになるまで時間がかかりそうですが、感謝です。
参加して素敵な方々のお話が聴けて、同じような感覚をお持ちの方がたくさんいらっしゃることに勇気をもらいました。仲間がいれば奇跡は起こる!と感じました。
Mindful.jp読者へのメッセージ
ぜひ、色々ご一緒しましょう!鎌倉での企画だけでなく、東京や色んな地域での活動の展開も予定しています。オフライン、オンラインでのこれからの企画にもご参加頂けると嬉しいです!
宍戸 幹央
一般社団法人 Zen2.0 共同代表理事
鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役
鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役
<略歴>
学生時代より仏教などの人間の意識に関する古来からの叡智と量子力学などのサイエンスとの融合に興味を持ち、個人的探求を続ける。東京大学工学部物理工学科卒。 同大学院修了後、日本IBMを経てアルーの創業期に参画。講師部門の立ち上げ責任者として企業の人材育成に幅広く関わる。 その後、鎌倉マインドフルネス・ラボを創業し、禅の精神やマインドフルネスを企業経営、組織開発、人材育成に活かす企業研修を展開。禅とマインドフルネスの国際フォーラム「Zen2.0」を共同代表として立ち上げ、毎年鎌倉の建長寺にて開催。共著に『マーケティングZEN』(日本経済新聞出版)。
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