人生の「主人公」として生きるために必要な事とは?-宍戸 幹央-
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人生の「主人公」として生きるために必要な事とは?-宍戸 幹央-

はじめまして!企業の組織変革、人材育成の支援ならびに禅とマインドフルネスを広げる活動をしている鎌倉マインドフルネス・ラボ代表の宍戸です。

私は、海と山に囲まれ自然豊かで、武士達が大事にした禅などの和の文化の歴史を積み重ねた鎌倉が、これからの時代の世界の学びの場となればとの思いで2012年より鎌倉を拠点に様々な活動をしています。慈悲慈愛に満ちた街としての”マインドフルシティ鎌倉”の実現に向けて、2017年から禅とマインドフルネスの国際フォーラム”Zen2.0”を鎌倉の禅寺、建長寺にて毎年開催しています。

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自分にとってのマインドフルネスの背景

私自身がこのような活動をすることになった原点は、中学・高校時代にマインドフルネスに繋がる”意識”に興味を持ったことです。

子供の頃から喘息持ちで入院したりと、体が弱かったこともあり、母の影響で西洋医療ではなく、東洋的な様々な治療法、無意識の世界の考え方などに触れてきました。

その際に、意識が、自分の身体だけでなく、自分自身が向き合う現実に大きな影響を与えるという世界に触れたことがまず最初の大きなきっかけです。

この頃に教えてもらった仏教詩人の坂村真民さんの「念ずれば花ひらく」はその後の人生で大きな心の支えとなりました。

”意識”の可能性をもっと捉えたいという思いから、意識の世界を物理的にエネルギーのような形で定義できたらその可能性が普遍的になるのではと考えたりした事もあり、大学時代は物理・量子力学を土台とした世界の研究に道を求めました。

量子力学の世界に足を踏み入れると、観測という行為が内在することで初めて表現されるミクロの世界があり、観察する人間の意識の意味合いに新たな可能性が見出せるような東洋的な思想とも繋がりが感じられる世界がありました。

主人公とマインドフルネスの関係は?

マインドフルネスに繋がる「今、この瞬間をしっかりと”観察”する」行為は、思っている以上に意味深いのではと感じることがあります。

今、この瞬間を観察し気づくこと、まずは自分の状態、そして他者の状態、自分達を取り巻く環境の状態に気づくことで生まれる可能性は大きいと思います。

SDGsが叫ばれる現在、地球環境全体のことも含めて、隣人の心の痛み、そして自分自身の中で蓋をしてしまった心の傷などに対して、気づきの力を高めていくことは益々重要になってきているのではないでしょうか。

更に興味深いのは、全てに気づいている主体が本質的には何なのか、ということです。

ここでお話したいのが、禅語である「主人公」のお話です。

そもそも「主人公」が禅語だということを最初に知った時、私自身大変驚きました。この「主人公」のお話の歴史は古く、約800年前、中国南宋時代の無門慧開(1183年-1260年)によって編まれた仏教書「無門関」の第十二則に取り上げられている「巌喚主人」に出てきます。


中国の瑞巌寺の師彦(しげん)和尚は、毎日、坐禅をしながら自分自身に向かって、
「主人公」と呼びかけ、そして「はい!」と答え、
「はっきりと目を醒ましているか?」と問いかけ「はい!」と答え、
そして、「世間に流されるなよ」と問いかけ、「はい!」と答えていたとのことです。


ここで言う「主人公」とは、自分の中にいる本来の自分。

自分の中にいる本来の自分自身の魂の声、それこそが”主人公”であり、それは毎日、外部の情報に目を向けるのではなく、外部情報を遮断して、坐禅や瞑想などの行為から捉えていくことで感じられるものであると。

ここで言う本来の自分とは、言葉に引きずられる理性の枠組みではなく、人々の感性の中に見出せるものと言えます。
自分の外側の言語情報に流され、自分を見失いがちなのは800年も前から同じであり、今はその何倍もの情報が溢れ、世間の情報に流されて自分を見失うことは、当時よりも格段に多いのではないでしょうか。


皆さんは、本来の自分が感じる世界で自分の人生の”主人公”として日々過ごしていますか?


一人一人、本来の自分”主人公”で生きていく上でも、過去や未来ではなく、今、この瞬間を気づきの意識で満たしていく”マインドフルネス”を日々大事することは益々大事になってきているように思います。

主人公にとっての正念場とは?

さて、「マインドフルネス-Mindfulness-」は元々仏教用語で、仏陀が説いた悟りに至るまでの修道法で8つの教えを説いた「八正道」の7番目、「正念」の英訳「Right Mindfulness」からきていることはご存知の方も多いかと思います。

このマインドフルネスの語源の「正念」と言う言葉にも改めて注目したいのですが、これに繋がる言葉としてあるのが「正念場」です。

人の真価や真の実力などが試される、非常に重要な局面を指す表現であり、元々、その時に求められる心の状態が、仏教で言われる「正念」の状態、”平常心や正気な状態”(マインドフルな状態)であったことから、歌舞伎などで、主人公がその役の性根、役柄を発揮する、最も重要な場面のことを「正念場」と表すようになったと言われています。

ちなみに私自身、正念場のような感じで、マインドフルネスの感覚が養われたなぁと思うのが、大学時代から今でもやっているヨットです。

ヨットでは、常に自然に対峙し、特に風が強い時には、一瞬一瞬に、風の状況、波の状況、船のバランス、同乗のメンバーの状況、他艇の状況、そして自分自身に”気づき”を張り巡らせておく必要があります。

自然に対峙するヨットを続ける中で死ぬかもしない、と思った事も何度かあり、実際に漁船に救助された事もあります。一方で、乗る前に体調があまり良くないと感じていても、風が強く他の事は考えられないほど集中しなくてはいけない状況に追いやられると、乗る前よりも元気になって帰ってくるという経験も多々ありました。

ヨット=セーリングは、自分の経験を踏まえても、まさにマインドフルな体験をできる活動としてとてもオススメです!

※現在、「マインドフルセーリング」というコンセプトで、プロセーラーの方と、セーリングを通じてのマインドフルネスプログラムを提供しています。
興味ある方は是非こちらを→シーマンシップクラブ

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「念」ずれば花ひらく

もう一つ、私自身がマインドフルネスに関連して思い出すのが、冒頭でも触れた仏教詩人の坂村真民さんの言葉「念ずれば花ひらく」です。
「祈り」にも通じる「念ずる」というこの言葉もマインドフルネスの語源となっている「今」という字に「心」という字を書いた「念」という字になります。


今という瞬間、瞬間を大事にして、何事も目の前にある事を丁寧に祈るように一所懸命やることを積み重ねれば、道が開ける。

「念ずれば花ひらく」は 念(マインドフルネス)の実践が一人一人の道を開いていく事と捉える事ができるのではないでしょうか。

これまでの自分を振り返っても「念」ずることが大きな力になったことは本当に多くあるように思います。

今は、大きな時代の変化の真っ只中にあります。

「正念場」とも言える時代の変化の中で、自らが「主人公」として生き、本来の自分としての力を発揮する上でも、一瞬一瞬を大事にするマインドフルネスの実践がその鍵になると確信しています。

■プロフィール

宍戸幹央(ししどみきお)
鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役
一般社団法人 ZEN2.0共同代表理事
一般社団法人 21世紀学び研究所 理事
AMBITIONERS LAB共同代表
日経COMEMO キーオピニオンリーダー
早稲田大学 Waseda Neo プログラム・コーディネーター
鎌倉 まちの大学 ボディ&マインド学部 学部長鎌倉在住。麻布高校卒。
東京大学 工学部 応用物理 物理工学科卒。
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 修了

日本IBM株式会社を経て、企業の人材育成を手がけるアルー株式会社(当時エデュファクトリー株式会社)に創業から参画。 大手企業のグローバル人材育成から管理職研修、若手層の研修など幅広い分野の企業の人材育成に講師部門の立ち上げ責任者として関わる。 独立後、株式会社イノセンティブ取締役を経て、鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社を立ち上げ代表取締役に就任。
個人個人が自律的に動く”学習する組織”の形成支援をリーダー育成、チームビルディング研修を軸にした人材育成研修と共に展開。
また、鎌倉を拠点に様々な学びの場をプロデュース。 禅とマインドフルネスの国際フォーラム ZEN2.0をennmonoの三木氏らと立ち上げ、2017年より禅寺建長寺で開催。
また、大学時代から続けているヨットを続け、約25年のセーリング経験を持つ。(セーリング経験:2001年、チームレース世界選手権に日本代表として出場。シードスポーツ級全日本選手権に15年連続出場。(2004年準優勝) 2019年フランスで開催されたTiwal Cupに日本人として初参加。)
現在は、プロセーラーの 伊藝徳雄氏と「シーマンシップクラブ」を立ち上げセーリングの世界とマインドフルネスを組み合わせた人材育成プログラムを展開。

■お知らせ

・鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社

・禅とマインドフルネスの国際フォーラム「Zen2.0」

・宍戸幹央のNoteブログ(日経COMEMO キーオピニオンリーダー)


・マインドフルセーリングを展開する「シーマンシップクラブ」


深呼吸してみて
「マインドフルネスを私たちの日常に。」をコンセプトに、マインドフルネスを気軽に知る・体験する・実践するのきっかけを作るための、マインドフル・ライフスタイルメディアです。