「Compassionコンパッション」ジョアン・ハリファックス(著)-第2章「共感」-読書会レポート
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「Compassionコンパッション」ジョアン・ハリファックス(著)-第2章「共感」-読書会レポート

マインドフルネスのコインの表と裏の関係、とも言われる「コンパッション」。近年では、リーダーシップのための重要な力としても注目されています。

コンパッションとは「人が生まれつき持つ『自分や相手を深く理解し、役に立ちたい』という純粋な思い。自分自身や相手と「共にいる」力」。
(本より引用)

そのコンパッションについて書かれた本「Compassion(コンパッション)――状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、『共にいる』力」の2章「共感」の理解を深めるための読書会を実施しました。
今回はこの会の言い出しっぺでもあり、Mindful.jp編集長の松元がレポートを書いていきます。

◆開催日時
2021年7月24日(土) 9:00-10:20 @オンライン

◆参加者
LILY PRESENTS セルフイノベーションサロン(※) マインドフルネス 部メンバー5名
※セルフマッサージ"リリナージュ"開発者 Lily氏運営のオンラインサロン

◆開催のきっかけ 
Mindful.jp編集長 松元はコンパッション発刊当時から、「これは私のバイブルになる・・・!」と思いつつも、「一人で解釈するには重い」「自分の視点でしか理解できておらず理解が進んでいない」という課題を感じていた。そこで、対話で理解を深める読書会をしたい!と思い立ち、会を主催することに。

◆プログラム
・チェックイン(今の気持ち・参加動機のシェア)
・ボディスキャン瞑想
・2章「共感」のまとめ By 松元 (Mindful.jp編集長)
・それぞれ2章で印象に残った部分と感じたことのシェア
・チェックアウト(今日の気づき・感想のシェア)

チェックイン&グラウンディングを意識したボディスキャン瞑想でウォーミングアップ

まずは、今の気持ちや参加動機をシェアし合うチェックインからスタート!

「ギリギリさっきまで読んでいたのでちょっと焦っています(笑)」(はる)
「マインドフルネス関連の本を色々読んでいるところでピンときて参加しました。」(ひさの)
「本の内容に興味はあるけど、一人で読むには長いし、文章も堅めなので、皆で読み進められたらと思っています。」(ちなつ)

などが聞かれました。

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そして、マインドフルネストレーナーである松元のガイドで、ボディスキャン瞑想をしました。今回取り上げる2章では、コンパッションにつながる「共感」を育む実践の一つとして、ボディスキャン瞑想ー特にグラウンディングに重きをおいたものーが出てきます。会の最初にちょうど良いので、このボディスキャン瞑想を採用しました。

ボディスキャン瞑想は、文字通り全身をスキャンするように意識の対象を変えながら、微細な身体感覚を取り戻していくマインドフルネスでも定番の瞑想の一つです。
グラウンディングとはヨガやロミロミ(ハワイアンマッサージ)でも出てくるキーワードで、大地や自然とのつながりを意識することです。瞑想後には「足の裏がポカポカしました。」「心が落ち着けました。」という感想が出てきました。
心や頭が疲れている時は、こうして身体に意識を向け、大地や自然とのつながりを感じることで、固くなってしまった心や思考を自然と手放し、地に足の着いた落ち着きを取り戻せるのでオススメです。

読書会瞑想中

「あなたの気持ちはよく分かる」は共感ではない、ということの深さ

当日は、本書の引用を交えて松元から要約やキーワードを振り返りがてらお話した後、それぞれの気になったポイントや感じたことをシェアしました。
本記事では参加者でもあるナミさんが本の内容をイラストにまとめてくれたのでそちらも合わせてご紹介します。

2章の中で最も多く話題に挙がったのは下記の部分でした。

倫理的に意義がある共感の表現は、『あなたの気持ちはよく分かる』ではなく、『どんな気持ちか、とても想像もつかない』と言うことでしょう。この「知ったつもりにならない」という境地にいれば、他者の経験と真にひとつにはなれないと気づき、共感的な反応をうまく調節できるようになるのです。

参加者からはこんな感想が出てきました。

「その人の痛み・気持ちはわからないと思って接してはいるが、分かりたいという気持ちもある。そんな中で大切にしたい視点だなあと思った。」(ひさの)
「文字で読むと冷たい感じがするが、実際、相手と同じように経験するってできない。自分のフィルターを通して分かったつもりになっていたかも。もちろん、分かりたいという気持ちが起点ではあるが気をつけないとなあ。」(はる)

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▲共感は健全なコンパッションへと進む要因にもなるが、行き過ぎた共感は「共感疲労」を引き起こす

行きすぎた共感が引き起こす「共感疲労」についても話が及びました。

「自分は今まで共感疲労なんてしていない、と思っていたけど、読んでみて、自分も共感疲労していたことに気づけた。」(ナミ)
「本の中で紹介されていた、『回避的な情動反応』『恐れを根底に持つ反応』『麻痺』など、今までSNSや日常で目や耳にしてきたことが言語化されているなあ、と思った。」(ナミ)

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▲共感には「身体的共感」「情動的共感」「認知的共感」の3つがある

「傾聴できている人ってほぼいない?!」共感を育む4つの実践

ここまで読み進めると、共感疲労を引き起こす可能性があったり、相手のことを知った気になったりと、共感って難しい、なんだか怖い、という気持ちが湧いてきます。
しかし、本書では健全な共感を育むための4つの実践についても紹介されています。

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▲共感疲労に向かわせず、健全な共感を育むためにできる実践方法

この部分から参加者から出てきたのはこんな言葉でした。

「仕事でも日常のコミュニケーションでも、私たち、『傾聴が大事、傾聴しましょう』って言われ続けているけど、本当に傾聴できている人っていないんじゃないの?」(ナミ)

少しぎくっとしますね。本書で書かれている傾聴のポイントを整理すると下記のようになります。

本当の意味で聴くということは、自己陶酔や自己欺瞞から抜け出し、注意散漫にならず、持ち歩いているハイテク機器に心を奪われることもなく、心を開いたままにし、今この瞬間に好奇心を持っている状態。
・相手の声を聞き、言葉の背後まで聞く。表情を観察する。
・相手の存在を、自分の中で感じる → 自分の中から解き放つ。今この瞬間に、自らの内に湧きあがることを、何であれ感じ、心を開いてリラックスする。

ここまで意識を持って「傾聴」ができていることってないかもしれないですね。相手の存在を自分の中に感じる(メタ認知する)、そのあと意識的に解き放つところまですることが、共感疲労を起こさず、相手の経験や気持ちをさも分かったかのようにせず、健全な共感に導くポイントとしてとても大切だと感じました。

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「『共感疲労』という言葉を知るだけでも、自分の状態を理解できるようになる」

最後は、この会全体を通しての気づきや感想のシェアをして終わりました。

「共感と共感疲労があるっていうのを知っているだけでも、気が楽になる気がします。『私って冷たいのかも』とか思っていたのも、湧き上がってくる感情を『もしかして共感疲労して麻痺しているのかも』と思えるようになると違いますね。」(ちなつ)
「『共感しなくっちゃ。共感できる私ってすごいかも。』と、自分に浸って事実に気づけていないことがあったかもしれない。『あなたの気持ちはわからない』というのを持ちながらしっかり聞くと、共感の質が変わっていきそう。」(ひさの)
「自分の感覚はマインドフルネスの実践でだんだんと認知できるようになっていたが、他人のエピソードだとそれができていなかったことに気づきました。」(はる)
「正直、共感とコンパッションの違いがまだよく分かっていないのですが、この本を読み進めることでわかるのかも、と思っています。今回の内容はサービス業の方が『学生の時に知りたかった!』という内容ばかり。実際、私も学生の時に知りたかった!笑」(ナミ)

参加者それぞれのシェアを受けて、本書を何度も読み返しているつもり、知った気になっていた私も、全然持っていなかった視点や気づきをもらえて、読書会って良いなあ、としみじみ思い終了しました。

次回は3章「誠実」について、対話を通して深めていきます。


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