Mindful Photos

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向かう先は、いつだって光-おざき ゆき-

春だからか ふと、憂鬱にのまれそうな瞬間がある。 そんな時、向かう先のことを考えてみる。 せかせかと歩く私は、どこへ向かっているのだっけ。 どんな景色を見たくて私は、走っているのだっけ。 ゆらぎのように、憂鬱は押しよせる。 けれども深い色があるからこそ 反射してもっと複雑な色を生…

大人になったら親友は作れない。-三宅弘晃-

「さよちゃんが帰っちゃうんだよね、広島に」  撮影の依頼を受けたのは、3月上旬のことだった。春は暖かく穏やかなだけでなく、わずかに混ざるビターな香りが胸の奥底をかすめてゆく。依頼を切り出す寂しげな口調に、幾年月も使い古された言葉が頭をよぎった。  そう、3月は別れの季節なのだ。どんな…

ぷしゅぷしゅ。いのちの音がする。

金柑が手に入ったので、酵母を育ててみました☺︎ 酵母を育てて3日目。金柑の間から、泡がぷくぷく…と現れ始め、 そして、6日目の今朝。 蓋を開けると、"ぷしゅ、ぱち、ぴち"と、炭酸の弾けるような音。 ぴち…ぱちぱち、ぷく、ぱち… 酵母が生きている音は、耳に心地よくて、なんだか愛おしい…

静寂の先に -おざきゆき-

“静けさ”の中に音があることを知った なにもしない どこにも行かない ということは、きっと味方を変えれば なにかしているし ここにいる ということ 見えているものだけではない その先に、どこかに ささやかな “音”はかくれている かたちをもっていないことで 見えてくる豊かさがある おざ…

潮風に立つ男は、別の顔を持つ。-三宅弘晃-

 冬も間近に迫った湘南・鵠沼海岸。加藤亮介さんはひとしきり波乗りを終えると、精悍な笑顔を僕に向けた。鍛え上げられた筋肉はオーダーメイドの黒いウエットスーツでぴたりと包み込まれている。その表面を滴り落ちる潮水は西日によって照らされ、その姿はまるで光の輪郭で切り取られているようだった…

さくらが教えてくれた、大切な時間-わたなべさき-

風がさーっと吹く。 大きな桜の木の枝が揺れて、淡いピンク色の花びらが、ひらひらとランダムに舞ってゆく。 それまでいろんなことが頭をぎゅうぎゅうにしていたのに、その一瞬でさくらに目を奪われてしまった。 ただ散っている。それだけで、 それまで考えていた頭を奪ってしまうほどの魅力を持っ…

キムタクは、この夜景のすべてに知られている。-三宅弘晃-

 高層ホテルのレストラン。ぼんやりと夜景を眺めながら、僕は希代のスーパースターに思いを馳せていた。  ここから見える明かりのひとつひとつに人間がいて、それぞれの営みがある。そして、その明かりの中にいる人々は、おそらく例外なくキムタクのことを知っている。しかしキムタクはその明かりひ…

写真を撮るということは、恋をした瞬間をおさめるということに近いのかもしれない-わた…

先日の雨の日、近所のお寺に生えている、椿の前で足を止めた。 雨で木の麓に小さな泉ができ、その泉に浮かぶ鮮やかな椿の花たちは美しくて、「いつまでも見ていたい」と思った。 こんな景色に出会う時、写真を撮りたいという衝動に任せてシャッターを押す。 その衝動を言葉で表すなら、今すぐ花束を…

記憶の中、今に戻る-おざきゆき-

日常の中、記憶を旅することがある。 「いつかの日にみた景色」 「いつかの日に感じた感情」 「行ったことがある」 「新しいことを感じていたい」 匂い、手触り、光、時間、感情のたかぶり… 全てのものが私に訴えかけてくるし 全てのものが私の未来の記憶になる。 目の前の 全部が未来で、全部…

呼吸をかんさつ-わたなべさき-

ふとした瞬間、自分の呼吸を観察してみる。 「いま、呼吸が浅くなっているな。」 「風が気持ちいい…。いま、深く呼吸をしている」 呼吸に意識を向ける時、私たちは、いつも今にいる。 今を感じていると、今にいるこの一瞬が、かけがえのないものだと感じる。 いまは一瞬で過ぎ去り、捉えられない…